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№1909 私がデンソーの社長だったら

№1909 私がデンソーの社長だったら

 最近、デンソー農場の見学に行った。デンソーはプロファームというブランドを立ち上げ農業機械を売り出している。これは豊田市内の会社「トヨタネ株式会社」との共同事業だ。ハウス内のでの環境を制御し、農業の効率化、安定化、付加価値向上を目指そうというものだ。

 マイホームを総合的に管理しようというスマートハウスの農業版のようなもので、スマート農業の実現を目指しているように見える。農作物の環境まるで工場のように人工的に管理して最適化しすることや、ハウス内の管理及び収穫など様々な点で自動化を進めていこうと考えている。

 デンソーのような大企業が農業に挑戦し、日本社会に貢献することはすばらしいことだ。もっと実業に結びついた形でCSRを追及し、社会の変革と新事業への進出を実現するというのは昨今のCSRの新しい形ではある。

 今回のわずかな見学時間だけであれこれいうのはどうもいけないが、評論はなんとでも言える、岡目八目ということで許して貰えるなら、デンソー農業は大きな仕掛けに欠けるように思われた。

 担当者の方とも話していたのだが、農家の場合、一生かけても1年に1度しか作付けを行わないのが普通だ。60年農業やっても60回のデータしか得られない。

 一方で、農業は高度な個人的技術に支えられているので、その処理情報量は膨大だ。しかも情報処理には高度な専門性が発揮されなければならない。AIなどはうってつけだ。

 さらに、農業はいろいろな意味で行政的な規制が厳しい。ある意味政府主導、少なくとも政府のお墨付きが必要なところがある。

 まずは日本の農業をどう捉えるかというところから始めないとうまくいかない。都市近郊野菜の農家利益を上げているのは高品質、高付加価値を実現しているからだ。季節を先取りする野菜、くだもの、糖度の高い野菜、くだものこれは利益を上げているようだ。農業は米よりも野菜の方がもうかる。本来、農業は「人の幸せにかかわる」という面も持っている。

 欧米と異なり農地解放を経験している我が国の農業はどうしても単位は小さくなりがちだ。この壁を破ることは容易ではない。

  その上で、私だったら情報産業、情報処理に関わる大学研究室などを組織する。さらに農家そのものの組織化もめざす。農家も新事業のパートナーと考え、共同のコミュニティーを作って、共同の利益をあげるために情報の共有化を図る。政府とのパイプも作り上げ情報の集積を作り上げていく。デンソーは大きなしかけのうちの、機械やセンサーなど一部を引き受ける一方で、最も重要なマネジメントでイニシアティブをとっていく戦略をとるだろう。

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