№1580 我が村は美しい,ルーラルツーリズムへの憧れ
ルーラルツーリズムについて,農水省のHPを見るとこんな風に紹介されている。
「農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動です。 欧州では、農村に滞在しバカンスを過ごすという余暇の過ごし方が普及しています。英国ではルーラル・ツーリズム、グリーン・ツーリズム、フランスではツーリズム・ベール(緑の旅行)と呼ばれています。」
昔,昔,日本がバブル経済を経験していた頃,リゾート法というものが成立した。同じように「滞在型」をうたい,できあがったのはとんでもない箱物ばかりで,どれも豪華で値が張る施設ばかりだった。トマムアルファリゾートとか,宮崎フェニックスリゾートとか,山林を切り開き,ゴルフ場を作り,人々が驚くような施設,タワーとか,プールとか,ができあがっていった。リゾート法がどれほど国土を荒廃させたか知れやしない。もちろん,農水省も国土荒廃の片棒を担いでいた。
当時,私たちは「土地錬金」のようなリゾート開発ではもたないと言っていたものだ。むしろ,地域の美しさをつくりあげ,文化を楽しむ開発こそが有益だと訴えていた。何は無くとも暖かみがある,美しさがある,そこにいるだけで安心する,そんなふるさとを感じる開発こそが本当のリゾート,本当の滞在型だと考えていた。
欧米には「村」の本当の美しさを引きだそうという運動が盛んだ。ドイツでは「我が村は美しく未来がある」という運動がある。フランスでは「フランスの最も美しい村(仏:Les plus beaux villages de France)」とう団体が美しい村を選び出し,農村の美しさを楽しむために多くの観光客が来ているという。
Wikiによると,美しい村になるための要件は次のようになっている。
▼人口が2000人を超えないこと
▼最低2つの遺産・遺跡(景観、芸術、科学、歴史の面で)があり土地利用計画で保護のための政策が行われていること
▼コミューン議会で同意が得られていること
日本でも「日本で最も美しい村」連合とというのがある。