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№1530 経営者のあり方と人生の方向

№1530 経営者のあり方と人生の方向

 経営が徐々にうまく行き始めるとだんだんと社長が現場から遠ざかるようになっていく。社長自らが動かなくとも社員達が動いてくれる。社長は全体をマネジメントするのであるが,このマネジメントの仕事はあいまいでとりとめがないことが多い。こういうときに,社長は何をしたらいいのだろうか。

 中小企業の場合,社長はマネジメントも行うが何でも行う。会社全体で足りない部分があれば,その部分に意識を集中させ,その部分で活動する。たとえば,製品の品質管理がうまくいっていないとなると,社長は品質管理の担当者と協議し生産管理のシステムの見直しに着手する。営業が弱いとなれば自ら先頭に立って営業を実践する。こうしたことができるのも創業から今日まで何でもこなしながら会社を大きくしてきたからだ。

 こうしてある意味会社が順調に展開してきた段階で必要なことは新たな組織展開に対する準備の着手ではないだろうか。一応会社がうまく展開した段階で,会社の成長に向けての新段階を迎えると位置づけることになる。より安定的な,より発展的な事業展開ななんであるかと事業全体の設計の見直しに着手することになる。

 もし,会社を未来永劫存続させたいと思うならそうすべきだ。会社も自分の寿命とともにだんだん衰退させ無くなっていくというのであれば別に気にかける必要ないかも知れない。しかし,自分の会社が社会に貢献し,社会に役立つ存在で有り,多くの従業員の未来もかかっている自覚するなら事業は自分の死後も生き残らなければならない。

 これは自分の人生をさらにどのように発展させるかという自分の課題でもある。
 若い頃から生き残りをかけて働き,会社をある程度のところまで持ってきたはずだ。誰もが人生の大きな目標を持ち,それに比べて今の自分の位置はどうなのか問われなければならない。

 私の場合,「世界史にかかわる」という大目標を人生の課題としてきた。それは可能だと思う。日本に例のない法律事務所を作ることが人生の大きな目標だった。だから,私は自分の事務所をさらに大きくしなければならない。より高度に組織化された事務所を作り上げ,高度な事業戦略を持つ事務所を作らなければならない。