名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№1322 「正しい事業承継」の諸原則

№1322 「正しい事業承継」の諸原則

 事業承継についてはたくさんのことを考えなければならない上,長期にわたるため予想外のできごとも生じることもある。そこで,いくつかの原則を理解しつつ対応が必要となる。

n 事業承継の大前提
  事業承継は後継者にとって魅力的な価値ある会社である必要があります。会社に価値があってこそ誰かに引き継ぐ,誰かに引き継がせたいということになります。そのためには次の視点が必要です。経営計画の確立
    ① 黒字を生み出す経営計画
  ② 財務の確立

n 事業承継は人の承継である。
  事業承継は財産だけでなく,人間関係の承継です。従業員,販売先,仕入先,銀行などといろいろな人がかかわり,関係を引き継ぎます。そのためには長期的な展望が必要となります。

n 事業承継を支える専門的視点
  事業承継の大きな課題は法務、税務、資金調達の3つにあります。
  法務・・・・事業承継の枠組みを決めます。
  税務・・・・大きな財産の移転を伴う行為なので節税問題が常につきまといます。
  資金調達・・会社財産の払い戻し過程を含むので資金調達が問題となります。
        なお、連帯保証問題も広い意味では資金調達の問題となります。

n 事業承継の3つの場面
  ① 親子間の承継
    これは相続が問題となります。特に他の兄弟との調整が重要です。
  ② 従業員への承継
    株式の売買ですが,資金調達が重要な課題になってきます。
  ③ M&A(会社の売却)
    会社に価値がなければ売却できませんが,価値があっても業態によっては難しくなります。