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№1275 久しぶりの沖縄

№1275 久しぶりの沖縄
 一昨日から沖縄入りしている。仕事があるためここ数年何度も沖縄入りしている。今回御沖縄入りは2年ぶりぐらいだろうか。

 沖縄というのは日本の中でも特別な地域だ。それは亜熱帯気候であることや、琉球という、本土とは別の歴史を持っていること、基地問題が大きな問題になっていることなどいろいろな要素がある。

 南国沖縄は今ごろでもセミが鳴いている。何でも11月のころ鳴くセミがいるそうだ。海に行くとアダンという南国の植物が海岸線に沿って群落を作っている。これも南の島の特徴だ。アダンでできたトンネルを抜けると白い砂浜に出て、その向こうに沖縄の青い海が広がる。泳いでいるとたくさんの魚に混じって、ウミガメとかがいたりする。時にはウミヘビなども見ることができて楽しい。

 奄美大島屋久島との間に渡瀬ラインと呼ばれる生物境界があって、これを境に本土と琉球の生物相がわかれる。屋久島には杉も自生しているし、サルやシカもいる。奄美以南にはいない。琉球にはイタジイの森の中に、ヒカゲヘゴとよばれる巨大なシダ類が生えているし、ラン科の植物も多くある。

 アコウやガジュマルという奇妙な樹木も自生している。沖縄の人や奄美の人はこれらの木にケンムンやキムジナーよ呼ばれる小妖怪が住んでいたという。確かにいくつもの幹が集合している奇妙な姿にはそう言われるだけの価値がある。沖縄の森にはハブがおり、この危険な毒蛇のおかげで人々が森に入らなかったという話もある。

 今回のツアーはアメリカの弁護士といっしょに沖縄をまわり、沖縄の友人たちとも合流した。友人はよく私達本土の人間を「大和の人」というように呼ぶ。「ヤマトンチュウ」という言葉も普通に使われている。アメリカの友人ともに首里を回り、琉球文化が中国文化の影響を色濃く受けていることや、儒教を中心とした文化を持っていることを説明した。

 私達にとっては仏教や武家社会の影響を受けていない琉球文化は違った社会に見える。感覚的には朝鮮の王朝に近い印象を受ける。アメリカ人から見れば、中国、朝鮮、日本、沖縄も等距離の国だろう。私達とはたぶん視点が違う。

 夜は「よね屋」といういきつけのおでん屋(琉球おでん、テビチなどが出てくる)で夕食を済まし、国際通りを散歩し、ネーネーズのライブハウスに立ち寄った。沖縄ポップスは沖縄市コザから始まったと私は信じている。コザから始まった沖縄ポップスには島人(シマンチュウ)としての強いアイデンティティが込められている。

 本土の人間は祖国に対して強いアイデンティティを持つことを忘れてしまったようにも見える。戦争中の誤ったナショナリズムが悲惨な戦争を生み出した。戦後の歴史はそれに対する反省から始まっている。私達の心にはナショナリズムに対する強い警戒心はないだろうか。それが、私達に日本人としての強いアイデンティティを持つことを躊躇させているようにも思う。

 ともかく、ネーネーズの歌に手拍子をし、沖縄の歌にあわせてカチャーシーを踊り、楽しい一夜を過ごしてツアーは終わった。