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№1206 なぜ、そのグループはここに集まっているか?

№1206 なぜ、そのグループはここに集まっているか?
 もし、私が取締役会、あるいはスタッフミーティングに招かれ、何らかのアドバイスが必要であるという場合、私は、「なぜ、そのグループがここに集まっているか?」を問うことになる。一定能力ある者が集まっていれば、課題が明確であることで会議の先がかなり見えてくる。私の役割は法的な戦略メニューを示すほか、議長が適切に会議をリードできるよう援助することになる。

《率先着手のプロセス》
 グループのリーダーは会議が始まるにあたって、率先的に開始に着手しなければならない。いわゆるたたき台が提案され、議論は始まる。

《課題の明確化》
 「売上が落ちている、問題点を解明するために会議を開きました。」というだけでは会議にならない。会議の目的が売上が落ちている原因を解明するためのものであれば、「売上がこのように落ちています。みなさんにその原因を解明したいと思い会議を開きました。」というだけでもだめだ。

 「売上がこのように落ちています。この落ち方はこの時期としては異常なことだと思います。」と、「売上が落ちた。」というテーマのどこに主催者の問題意識があるのか明確にされなければならない。

《討議》
 当然、会議では様々な意見が提示されるだろう。各部門から様々な情報が提示されるかもしれない。意見として出されるかも知れない。
 「私の訪問先では別会社のセールスマンがすでに訪問していました。新製品の投入か、何か新鮮な企画がないと売り込みが難しい状況です。」

 ここでは、「セールスマンがすでに訪問していました。」という情報提示の問題と、「新鮮な企画」という提案が組み合わされている。議場は「訪問」という情報についてテーマを絞る必要があるかも知れない。「では他の地域はどのような状況でしょうか。」あるいは、「新鮮な企画」に絞る必要があるかも知れない。「訪問先のお客さんは他社製品のどこに魅力があるとおっしゃっていましたか。」「うちの商品に何をつけ加えたらよいとおっしゃっていましたか。」などアイディア絞る必要があるかも知れない。

 意見や情報提示が雑然と提示され、時間切れとならない、議場は集団をコントロールすうる必要がある。激しい討議や、たくさんの意見、情報提示の中ですばらしいアイディアが葬り去られないように配慮する必要がある。この場合、ボードにアイディアを書き込んでいくなど作業が必要だろう。

《要約》
 会議の結論は必ず要約される必要がある。効果的な要約を作ることはリーダーの力量にかかわる。効果的な要約はアイディア討議の要点をまとめるだけでは足りない。そこで出されたアイディアが葬り去られないように配慮する必要がある。
 「本日の会議では他社の攻勢がかなり進んでいることが判明しました。他社の攻勢についてその範囲、攻勢にあたって○○な企画をもちこみ我が社に対抗しているように思われます。」
 「我が社がの反転攻勢にあたってはいくつかのアイディアが出されました。①○○、②○○、③○○などです。この点については引き続き××において検討し、当社としての方針を提案していただくことにいたします。」