№1183 社内教育と社員の発達
プロセスコンサルテーションではクライアントとともに問題を解決する姿勢を重視する。プロセスコンサルテーションでは解決を請け負うことはない。解決はクライアント自身が行わなければならない。コンサルテーションは判断を援助する者という役割になる。
このような考え方はそのまま、社員と上司、社長と部下などに当てはまっていく。社長は社員、特に幹部が主体的、自発的であれと願っている。自ら問題を発見して、解決しようとするようになってほしいと願っている。社長や組織は解決の援助者に過ぎない。解決するのはあくまで部下の責任で解決しなければならない。
プロセスコンサルテーションにはこうした自発的な解決を促すための手法は体系的に語られている。ハーバード大学経営学、アメリカ経営学はこうした心理学的側面も企業経営に生している。私は心理学とか、発達とかいったテーマは個人的なものかと考えていたが、会社という集団の分野で、心理的援助、個人の発達というテーマが語られていることに驚いてしまう。
私が所属している中小企業家同友会でも、社員教育と学校教育との比較などがよく行われている。確かに学校教育と似た側面がある。私もかねがね、法律事務所は若手弁護士の学校であると言っている。しかし、企業の場合、事業遂行という譲れない目的がある。それに向けて社員はキャリアを積んでいくだろうし、会社は利益をあげていく。