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№1026 取締役会あれこれ

№1026 取締役会あれこれ
 会社法が改正されてずいぶんたつ。昔と違ってずいぶん自由度が増した。

 株式会社の取締役の基本形は代表取締役、取締役会、株主総会監査役だ。上場するような大企業になるとこれに監査委員会とか報酬委員会とかややこしい組織がつくことになる。

 中小企業では、代取、取締役会が基本だろう。定款で定めれば取締役は1人でもよい(348条の2)。会社法が改正される前は、取締役の人数をそろえなければならないから、おじさんとか、友だちとか余り経営に関係ない人を取締役にしていた。

 しかし、時間が経つにつれてなくなったり、関係が薄くなったりして苦労することがある。昔のままになっている会社は一度、取締役を整理することをお勧めしたい。

 小さな会社だと長らく取締役会を開いていない場合がある。しかし、会社法には必ず取締役会を開催しなければならない事項があるから、きちんとしておかないと後で痛い目を見ることがある。

 例えば、重要な財産を処分するときとか(363条2項1号)、退職金決定が取締役会に委ねられているときとか、競業行為をする時とか、いろいろな場合がある。時にはもらえると思っていた退職金ももらえないことがある。

 取締役会は原則会議を開かなければならない。しかし、定款で定めれば書面による決議も可能となった(法370条)。

 非公開会社の場合、取締役の資格を株主に制限できる(331条2項但書)。旧法下ではできなかった。会社を乗っ取られそうになったり、変な人が乗り込んできそうなときに役立つ。

 破産している者も取締役になれる。ただ、破産した場合、民法上の委任関係が終了するのでいったん解任される。しかし、再度、選任すればよい。