№685 息を呑む!「田中一村」
私の大好きな日本画家に田中一村がいる。初めて見たのは奄美行きの飛行機に備え付けられていたANAの雑誌の紹介記事だった。南の島が好きな人には思わず息を呑むほど感動する絵ではないだろうか。
私の大好きな日本画家に田中一村がいる。初めて見たのは奄美行きの飛行機に備え付けられていたANAの雑誌の紹介記事だった。南の島が好きな人には思わず息を呑むほど感動する絵ではないだろうか。
彼は明治41年に生まれ、大正15年に東京美術学校(現東京芸大)に入学した。同期生に東山魁夷など著名作家がいる。彼は天才とされていたが、日本画壇に興味を示さなかった。昭和33年には奄美大島に移住し、大島紬の染色職人の仕事をしては日銭を稼ぎ、それを絵に注ぎ込んだ。
成功などには目もくれず絵に生きた天才として有名だ。彼の奄美の絵にある奄美の静寂といろどりに思わず息を呑む。私は何度も奄美大島に行き、奄美の森や奄美の海を見てきた。奄美には言葉で言い表せない古い文化が息づいている。奄美の森は一村の絵で表現された深い緊張感にあふれている。