番外　「おこめ券」、淫乱な響き？

　学生時代、「嗚呼！花の応援団」という超お下劣、ギャグマンガが大流行した。「クェックェックェッ」とか、「ちゃんわちょんわ」とか、「役者やのう」とか、暴力、下ネタ、大連発のそれはそれはお下品な、どうしようもない漫画だった。「おめこ」も連発され、この漫画の大流行のおかげで、「おめこ」が関西語から全国語の地位を占めるようになった、と思う。私は関西に出てきたばかりで、最初は「おめこ」という言葉の意味が分からなかった。

　お下劣マンガ大流行ということで、出るわ、出るわ、私たちの大学サッカー部、部活仲間でも、もうサカリのついた雄のように連日、まねをして、部室と言わず、居酒屋といわずこの言葉が連発された。男子学生というのは押さえがきかないね。本当に、繰り返しし、繰り返し、「おめこ」、「おめこ」、「おめこ」と、うれしそうにみんな連発し、私はすり込まれていったのだった。

　で、あるとき、下宿の近所に「おこめ券」の札がぶら下がっていて、何だこれはと思ったら「おこめ券」だった。つい最近も、地下鉄広告に「おこめ券あります。」のポスターを見つけ、「おめこ券」と間違えてしまった。