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№505 クリムトの夢

№505 クリムトの夢
 「淫靡」という言葉があるが、クリムトの作品はぴったりだ。黄金を多用した豪華な装飾は琳派の絵のようだ。黄金の中に淫靡や退廃、死と生が入り乱れ、なんだか頭の中がくらくらしてしまう。
 
 どの作品もすごいのだが、とりわけ「ダナエ」はクリムトらしい。
 ダナエはギリシャ神話を題材にしている。
 美しい娘ダナエは父であるアルゴス王アクリシオスによって青銅の塔に閉じ込められたが、ゼウスは黄金の雨になって塔に入りダナエと交わった。そうして生まれたダナエの子がペルセウスである(Wiki)。
 
  その描写の意味は余りにも淫靡なものだ。詳しくは、以下のWeb解説を見て欲しい。私が文章化すれば、下劣なものになってしまい、「美」の価値を下げてしまう。
 
 性は常に閉じ込められた空間の中で発露する。ダナエの四角い世界は閉じられている。それだけで完結する小さな宇宙のようなものだ。
 
 
 ところで、
 クリムトの女性はやせたガリガリした感じになっていることが多い。豪華な金の装飾と、閉じた空間に充満する性。ガリガリした感じはそこに潜む死であるとか、現実であるとか、そういったものの象徴かも知れない。
 
 余り関係ないが、葛飾北斎の「蛸と海女」もすごいぞ。これは、三文エログロ小説のたぐいだな。