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№394 初恋の味、カルピス

№392 初恋の味、カルピス
(中小企業企業紹介)

 うちのばあさんは80歳近いが、ばあさんが若かったころ、カルピスを飲むと不良になると言われたらしい。うちのばあさんは田舎育ちだ。「カルピス飲んで、カンカン娘 ♪」という歌があったりして、田舎の実家では、カルピスを飲むのは都会の不良がやることだと思ったらしい。
 カルピスを飲ませて、我が娘が「カンカン娘」になっちゃったら、そりゃあ大変だ。

 今でも、ばあさんはカルピスを飲むときは必ずこの話を出す。そして、必ず、「カルピス飲んで、カンカン娘 ♪」とうれしそうに歌う。娘だったばあさんは、よほどカルピスに憧れていたに違いない。さぞかし飲みたかったのだろう。かわいそうに。でも、飲んだら不良になっちゃうからダメだったんだね。

 カルピス社のHPによると、カルピスは大正8年に初めて販売された。明治35年に創業者三島海雲がモンゴルに渡り、遊牧民が飲んでいた「酸乳」をヒントに作られたのだそうだ。カルピスは、サンスクリット語の「最上の味」を意味する「サスピス」と、カルシウムの「カル」を組み合わせて「カルピス」となったということだ。 

http://www.calpis.co.jp/museum/history.html

 体格が小さかった日本人にとって、カルシウムはとても大切な栄養素だ。カルシウムという言葉の持つ科学的に健康を考えるイメージと、「ピス」という西洋的な響きは何となくおしゃれだ。それが、梵語に由来するのだから、カルピスは中々奥が深い。

 HPによる、カルピスは最初から「研究」、「健康」を狙い、三島社長の最初の商品は乳酸クリーム「醍醐味」だったということだ。この外にも「ラクトーキャラメル」、乳酸キャンディー「チャンドラ」、「大学ドロップ」といろいろ商品を開発したが、さっぱり売れなかったらしい。商売とはそんなものだ。10回やって1回でも成功すれば、成功だ。

 企業スローガンは「カラダにピース、CALPIS」となっている。「健康価値創造企業」、「」カラダもココロもほほえむ、ピースなものづくり」だ。創業者の精神は今でも引き継がれている。

 創業者がモンゴルに行ったのが明治35年、カルピスの販売は大正8年、売れ始めたのが大正後期と、その間、20年以上の歳月を経ている。乳酸菌、健康、食品、一筋にぶれない創業者の姿勢は人間としても立派だ。