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№396 グリコ

№396 グリコ
(中小企業法務 会社紹介、事例紹介)

江崎グリコのグリコはグリコーゲンからとったものだ。佐賀県出身の創業者江崎利一は「1919年(大正8年)の春、薬種業を営んでいた江崎利一は、郷里・佐賀県有明海沿いの堤防で、漁師たちが牡蠣の煮汁を捨てているのを目にし」、グリコを思いついた。牡蠣の煮汁にはグリコーゲンがたくさん含まれていることを知っていたのだ。

カルピスの「カル」はカルシウムのことだ。オロナミンは「オロナイン軟膏とビタミンC」の組み合わせだ。カルシウム、グリコーゲン、ビタミンとかは各栄養素の言葉がそのまま使われていて、単純と言えば単純だ。しかし、それだけに「栄養」、「滋養」に対する人々の憧れがストレートに表現されている。

何よりも何となく「科学的」、「滋養」というイメージが、まじめに人々の健康のことを考えていますという、会社の誠実さに対する信頼を作り上げていったのだろう。

もっとも、栄養に関する言葉をストレートに使った商品はいくらでもあるが、全てが生き残るわけではない。カルピスは「初恋の味」と商品イメージを膨らましていった。ここのところが商才ということになる。

グリコはなんと言っても「一粒300m」、両手を上に万歳しながら走るゴールインマークが象徴的だ。商品に対する明確で単純なイメージを作り上げ、徹底的に宣伝していく。キャラメルにおもちゃをおまけにしたのも考えてみれば単純なアイディアだ。

ここが商才というところか。

ちなみに、創業者江崎利一は貧しい家庭で育ち、薬販売から身を起こし、今日を築きあげてた。江崎グリコの創業者江崎利一は、かねてから事業に成功したら、その利益で社会奉仕をしたいと考えていた。

「1934年(昭和9年)、創業者・江崎利一は母と子の健やかな成長を願い、私財を投じて財団法人「母子健康協会」を設立、江崎グリコは全面的に支援しています。小児医学研究への助成を中心に、いろいろな事業を行い、親と子の健康推進に取り組んでいます。」
昭和9年と言えば、戦前のことだ。