(中小企業法務 会社紹介、事例紹介)
江崎グリコのグリコはグリコーゲンからとったものだ。佐賀県出身の創業者江崎利一は「1919年(大正8年)の春、薬種業を営んでいた江崎利一は、郷里・佐賀県の有明海沿いの堤防で、漁師たちが牡蠣の煮汁を捨てているのを目にし」、グリコを思いついた。牡蠣の煮汁にはグリコーゲンがたくさん含まれていることを知っていたのだ。
カルピスの「カル」はカルシウムのことだ。オロナミンは「オロナイン軟膏とビタミンC」の組み合わせだ。カルシウム、グリコーゲン、ビタミンとかは各栄養素の言葉がそのまま使われていて、単純と言えば単純だ。しかし、それだけに「栄養」、「滋養」に対する人々の憧れがストレートに表現されている。
何よりも何となく「科学的」、「滋養」というイメージが、まじめに人々の健康のことを考えていますという、会社の誠実さに対する信頼を作り上げていったのだろう。
もっとも、栄養に関する言葉をストレートに使った商品はいくらでもあるが、全てが生き残るわけではない。カルピスは「初恋の味」と商品イメージを膨らましていった。ここのところが商才ということになる。
グリコはなんと言っても「一粒300m」、両手を上に万歳しながら走るゴールインマークが象徴的だ。商品に対する明確で単純なイメージを作り上げ、徹底的に宣伝していく。キャラメルにおもちゃをおまけにしたのも考えてみれば単純なアイディアだ。