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№334 詐欺師

№334 詐欺師
 世の中には詐欺師がたくさんいる。傍で見るとばかばかしいが、詐欺で騙される人は後をたたない。中小企業家はリアリストほとんどだが、儲け話に騙されることがある。

 広く大衆から多額のお金を集める詐欺では、インチキ宗教を利用したものが多い。

 これはほとんどが人の恐怖、悔恨などを利用している。あなたが交通事故を繰り返すのは、あなたの玄関に地縛霊が巣くっているからだ。あなたの4代前の先祖がどこかで人を生き埋めにして、その恨みがあなたを襲いかかっている。

 あなたが男に騙されてばかりいるのは、あなたがかつて水子を流したからだ。水子があなたにとりついている。おお、恐ろしい。

 このたぐいですね。実際、面と向かって言われると気持ちが悪い。精神的に弱い人は、脅かされると打撃を受ける。インチキ宗教が許せないのはこうした精神的にもろい人を狙って食い物にしていることだ。それも半端ではなく、その人の生活が破綻してもなお食っていこうというのだから、蛇蝎のごとき連中だ。

 大きな寺、祭壇、豪華な庭、植木、仏像などやたらと羽振りのよい建物や美術品まがいのものがある団体は要注意だ。

 中小企業家も詐欺師に出会うことがある。中小企業家の中にもいろいろあるが、中には夢見るタイプの実業家がある。事業がそこそこ成功し、お金を儲けて、自信にあふれ、なんか一発当ててみようと思っている人は要注意だ。詐欺に引っかかりやすい。

 たとえば、インドネシアで石油で採掘できる。それに投資しないか。知り合いがインドネシア政府とつながりがあり、実際に当地の政府高官の了承も得ている。この事業については某大臣の有力者も手伝っており、ODAが利用できる。有力者には片手5本でOKがとれている。儲かれば50億ぐらいの金になる、などなど、いろいろ言う。こういう手合いは実際に代議士の名刺を持っていることが多い。

 かつては、ゴルフ場開発が詐欺的取引の手段だったこともあった。ゴルフ場開発すれば100億円儲かる、ともちかけて金を集めて経済破綻する企業もあった。

 こんな話でなくとも、てっとり早く億の単位でもうけようというたぐいの事業は当然リスクも高い。どこかで無理をしている。詐欺とは言わないが、無責任なことが多い。こんな話は手を出さないことが第一だ。もし、投資したい、融資したいというのであれば、よほど慎重に手続きを進める必要がある。