№328 モクモクファームにとって地域とは何か
モクモクファームは農業法人として非常な成功を収めている農業法人だ。
http://www.moku-moku.com/
中小企業は地方とは切っても切れない関係にあるというのが私の確信だ。
しかし、モクモクファームの専務によると地方との関係はきれい事ではないという。それは、新しい事業を打ち立てるときに地方がついてこれないことがあると考えているからだ。
たとえば、モクモクファームでは有機栽培であるとか、そういった素材の商品を売りたいというブランド戦略を持っている。農家はそれについてこれず、別の物を売りたいという。そんなときには、自らの思想を貫くというのだ。
このような悩みは、普通の企業にはない。モクモクファームが農事組合法人であることからくる悩みかもしれない。
しかし、モクモクファームの経営戦略キーワードが「地域」にあることは疑いはない。モクモクファームのウェブを見ると、「のんびりしたいよね」「ゆ~ったりしたいよね」という言葉で始まる。都市の人がモクモクファームにあこがれ、年間40万人も訪れのはは、「田舎」、「農業」に対する人間性にあこがれているからだ。
「伊賀の里」でのモクモク流、農業ライフスタイルが提案され、会員制度、商品の購入、各種教室などを通じて、消費者が「伊賀の里」と心でつながっていることでモクモクファームは栄えている。
モクモクファームにその実態が無ければ、消費者を欺くことになるし、モクモクファームを支える人材も嘘でも指示されればOKというすさんだ人生観を持つことになるだろう。モクモクファーム流の地域がなければ、訪れたお客さんは、何だこんなものかと実態を思うだろう。
地域との関係がきれい事では住まないというのは、それまでのスタイルに安住する者との軋轢にでしかない。モクモクファームが地域を説得するだけの内容を持ち、地域とともに歩めるかどうかが、モクモクファームの持続性を保障するもだと思うがどうだろうか。