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№298 地球温暖化と理想社会

№278 地球温暖化理想社
 地球温暖化は、実際にはかなり抜き差しならないところまで来ている。IPCCという世界の権威ある科学者たちの集まりでは、温暖化の影響が、"very high confidence" つまり、きわめて高く確信できると評価した。ほっとけば、地球全体が抜き差しならない事態に陥る。

 日本の経団連などは温暖化政策に非常に消極的だが、大企業ともあろう者が目先の利益にとらわれて全体を見ないというのは情けない。温暖化政策に敵対的だったブッシュ政権下でも、米国の大企業は温暖化政策に積極的だった。温暖化政策のパイオニアEUでは企業は大いなるビジネスチャンスととらえて積極的だ。日本は世界から取り残されている。

 ともかく、地球温暖化政策は「経済的手法」と言われる手法が非常に発達している。たとえば、太陽発電や風力発電など、発電した電気を比較的高い値段で買い上げるシステムがある。これにより、ドイツでは多くの人が風力発電に投資し、発電量は飛躍的に増えている。

 温暖化対策には「低炭素社会」という理想がある。それは、エコロジーと経済の発展が車輪の両輪のように展開する社会だ。我慢のエコロジーではなく、発展のエコロジーだ。

 CO2は人の活動によって必ず発生するガスだ。それを無くせという議論はない。また、CO2の削減は、エネルギー効率の向上を意味する。少ないエネルギーでたくさんのことができるようにするということだ。昔は100kwの電力が必要だったものが、1kwですむようになるということだ。

 これは単なる節約の問題ではない。さらに、今までにない新しい出来事が起こるということを意味する。たとえば、かつては太陽電池パネルの腕時計は考えられなかったが、エネルギー効率の向上により可能となった。宇宙旅行だって、膨大なエネルギーを節約することで、新しい展開が可能になる。

 経済的なインセンティブによって世の中を変えるということはそういうことだ。日本経団連、特に、電力、鉄鋼関係の社長はそれがわかっていない。頭がいい人がなっているはずなのにと思うが、実はとんでもなく無能なのかもしれない。