№285 サッカー少年
うちの次男はサッカーに一生懸命だ。
夏休みになって公式戦が始まるのだが、学校の壮行会で「テストの点が下がっただけ、点を入れます。」と言って、大うけしたらしい。確かに成績は悪い。下がった点だけサッカーの得点を入れることはかなり難しいだろう。
ということで、毎日、毎日、朝練に行き、毎日、毎日午後8時ころに家に帰ってくる。土曜、日曜は練習試合だ。部長の先生は、サッカー部が変われば、学校も変わると意気込んでいるらしい。勉強は三の次ぐらいで、学校でも寝ているらしい。学校の試験前にもサッカーの練習がある。これでは成績は悪いわけだ。塾ではこういう成績では落ちこぼれてますと言われている。中学校3年生だが、うちは高校受験がないため、成績に対して切実な感じがない。
もっとも、それほど、熱心にサッカーをやっているので、親としてはどうしても応援したくなってしまう。今日は公式戦初日ということで、朝から水分補給のポカリスエットを用意し子供に渡している。お母さん後援会みたいのがあって、妻は応援に出かけていった。
私もナオちゃんがどんなサッカーをするのか楽しみで見に行った。午前10時30分、キックオフ。うちの息子は背が高いのですぐわかる。なんとトップをやっているではないか。
しかし、なんだか、変なサッカーだ。体が大きい分だけスピード感がない。もっと早くダッシュせんかい。何でもっとつっこまんのだ。などと、岡目八目の応援をしたくなってしまう。
でも、彼は今日は2得点を入れた。敵のディフェンスを背中に押さえ込み、ボールを引き寄せ、完全にフリーになったところでシュートだ。ボケた感じのドリブルだが、なぜかディフェンスを通り抜け、左足でシュートに持って行っている。おお、いつのまにあんなに早いシュートが! 泣き虫ナオちゃんもさすがに成長するものだ。
しかし、親の応援はこれからだ。バカになってしまった頭に数学をシュートしなければならない。夏休みは体育会系的のりで特訓だ。