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№186 商売のこつ(その2)

№186 商売のこつ(その2)
 弁護士も事業である以上,商売のこつというのが必要だ。この「こつ」というのは結局のところ弁護士がどのように世間から支持を得てきたかことにつきるのだから,弁護士によって違う。

 一般論だが,法律事務所の顧客は3つのタイプに別れると思う。全く,知り合いがおらず,電話帳やインターネットで弁護士を探す場合,顧問先であったり,知り合いがいるから紹介してもらうような人の関係で来訪を得る場合,高い専門性が要求される分野について評判をききつけて事務所を訪問する場合である。これらの分析された顧客について,自分がどのように支持を取り付け,対応してきたかについて商売のこつが潜んでいる。それは,自分の生き方の分析そのものだ。

 私の考えでは,新規事業は突然やってくるものではない。あくまで,自分のやってきた商売上のやり方,路線について,何か一つ加えることが新しい事業につながる。それは,食品加工会社が食品の小売りを始めるようなものだ。何か一つ加わったところから新規の「芽」が出て,やがて別のものに発展するということだ。

 私の場合,顧客のタイプを3つに分析して,それぞれについて,「何か一つ」加える努力をしている。それは,10個のアイディアのうち1つ生きればよい。1つでも生きれば,それが「芽」となり,大きくなるはずだ。全てのアイディアを生かすとなどということはあり得ない。「現場情報」というのは現場とアイディアとの相互作用によって検証されて行く。方針でも試すことで現場を判断でき,誤ったものかどうか,正しいものに修正できるかが判断できる。相互作用の妙味は,いくつかの誤りの中で試される。だから,全てのアイディアが生きることはそもそもないのだ。