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№ 183 商売のこつ(その1)

№ 183 商売のこつ(その1)

 最近,私の事務所が「行列」ができている。事件が急増しているのだ。事務員の残業が増え,このままでは暴動が起きかねない。お客様あっての法律事務所だから,これはもちろん事務所にとっては喜ばしいことだ。

 問題はその原因であるが,不況が原因していることは破産事件が増えていることから明らかだ。しかし,様々なタイプの事件も増えているため,それだけでもなさそうだ。

 私の事務所は依頼者の立場に立ちきって行動することを身上としている。口で言うのは簡単だが,実際に立ち切るとういのはなかなか難しい。それは,日本で最も高い水準の活動することであるし,依頼者のためにあと一つの何かを追求することだ。何か一つ,これは経験が必要だ。人に対して,敬意をもって,愛情深く接することができるかという,人間性が弁護士に試されることになる。

 日本で最も高い水準を作るというのはもちろん難しいことだ。事件は常に新しく,依頼を受けた時点で高い水準にあるとは限らないからだ。文献,インターネットを利用して,日本のレベルを探ることになるが,それだけではだめだ。実際にその分野の事件を扱っている弁護士の話を聞かなければならない。こうした,弁護士のネットワークを持っていることも弁護士の能力の一つになる。

 しかし,どんなよい商品も知られていなければ無いの同じだ。ここに「商売のこつ」というのが必要になる。弁護士はよく医師と比較される。しかし,消費者が弁護士同士を比較できない点で医師と大きく異なる。多くの人にとって,弁護士は一生に一度あるかないかのことなのだ。事件も多様だから,比較ができない。専門性も高く,弁護士さんにお任せということになると,よい弁護活動をしてくれたかどうかも分からない。

 知り合いに弁護士がいると言っても,その人が弁護士だという以上の意味が無い場合が多く,実際にはどんな弁護士なのか分からないことが多い。それでも,電話帳よりましだろうということで紹介を介して法律事務所を訪れる例も少なくない。

 こうした実情に対し,どうやったら,初めての弁護士を選ぶことでき,安心して法律事務所を訪れることができるかという問題が,法律事務所における「商売のこつ」になる。