名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№184 派遣切りには反対だ。

中小企業法務 №184 派遣切りには反対だ。

 派遣労働が問題になっている。私の事務所は労働者側の労働事件はほとんど無いのだが最近はいわゆる派遣切りの相談が来ている。名古屋はトヨタ本家のお膝元だけに,今回の不況は中小企業経営者にとっても,労働者にとってもきつい。特に,派遣労働者期間労働者にとっては悲惨きわまりない。

 派遣労働者は自由に仕事や勤務を選べるという点で派遣を選んでいる人もいるかもしれないが,追いつめられて私の事務所に相談にくるような人はけっして選んでいる訳ではない。就職できず,生きていくために選択している例ばかりだ。低賃金であるから貯金もない。そんな状態で解雇されたらいったこの人たちはどうしたらいいのだろうか。しかも,寮に住んでいるから寮も追い出されてしまう。

 人は物ではないのだから,ポイッと捨てられるようなことがあってはならない。私はこういう事件を目の当たりにすると,事業者の社会的責任というものをつくづく考えてしまう。企業は人でできあがっている。そこに勤めた人は,企業で自分の幸せをつかみたいと思っている。派遣切りを平然と行う企業は社員との人間的関係を築こうとしない会社ではないかと思う。事業者としての社会的責任をどのように考えているのだろう。

 特に,クーリングオフと言われる,3ヶ月停止期間を利用していつまでも派遣社員として雇おうという企業は法というものに対する感覚も麻痺していると思う。

 最近,中小企業家同友会では雇用調整の話題が多い。多くの中小企業では雇用を守ると必死な思いで決意をしている。企業家たる者,こうでなくてはならないし,私もそういう企業のために働きたいと思う。