名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№172 信用保証協会

中小企業法務 №172 信用保証協会

 中小企業法務を扱う上で,信用保証協会の位置づけは難しい。ちょっと考えがまとまらない。
 単純に考えれば,信用保証協会が連帯保証人となるため,企業は融資を得られるということになるため,ありがたいということになる。

 まず,借り入れるときにはどうだろうか。
 借り入れに際し,銀行経由で書類が信用保証協会に行き,融資可能性の審査を受ける。このときに,信用保証協会では,信用リスク等を評価し融資を決定する。場合よっては保証人を求めることがある。信用保証協会の承諾を得られなければ融資は受けられない。このときに,信用保証協会と直接交渉することができるだろうか。少なくない業者がこれをやっているようだ。一定の場合には効果があるという。実際,愛知県,名古屋市とも相談窓口を用意している。

 法律的には信用保証協会の説明責任の問題がある。事業者は信用保証協会とは直接の契約関係に立つため,本来説明責任が存在する。一番知りたいのは,信用リスクをどのように評価しているか,保証料率はどのように決められたかであろう。ここは,信用保証協会法の趣旨,諸通達を調べてみる必要がある。

また,代位弁済されたときにはどうだろうか。
 事業者は期限の利益を失い,契約上は高額の遅延損害金を支払わなければならない。保証協会は,事業再生のために行動することがあるか。基本的には事業再生を心がけることになる。このときに事実上のリスケが行われる。
 なお,信用保証協会法20条2項2号には債権回収などの「業務に関連して必要な交渉及び調査並びに当該中小企業者に対する助言」があり,この「助言」に何が入るかが重要だろう。