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№136 中小企業憲章ノート グローバリゼーション

№136 中小企業憲章ノート グローバリゼーション

  中小企業のあり方はグローバリゼーションの中で位置づけられるべきである。

  WTO結成に象徴されるように経済のグローバリゼーションは急速に進んでいる。グローバリゼーションの本質は投資の自由であって,単なる自由貿易の問題ではない。国境を越えた資本進出を可能にし,国際市場の単一化をめざしている。その象徴がEUであり,NAFTAである。グローバリゼーションの進展を歴史的にどのように見るかは難しい問題だが,運輸,通信技術の発展と経済の発展に相応するもので必然性を持ったものと思われる。もちろん,必然性があることと,放置して自由に任せることとは異なる。そこにはWTOに代わる,あるいは並ぶ別の秩序が求められる。

  展開する単一市場に対して中小企業中心の経済という考えは成り立つだろうか。その解答の一つがEUの小企業憲章ということになろう。世界共通,アジア共通のルールとしての「小企業憲章」というのがありうるかもしれない。

  この場合検討するべき課題はアジアにおいて,中小企業の共同関係というのがあり得るかという点である。すでに,中国への企業進出があるが,そのために国内での産業の空洞が問題になっている。一方で,中小企業にあっても中国に進出しており,共同関係もできている例もある。この点については,グローバリゼーションが避けられない情勢からすれば,アジアの中小企業との共同関係を発展させて共に企業として成長すること,それぞれの国で中小企業中心の政策を展開することの2点で一致し,中小企業の国際的な協力関係を築いていくことが重要である。

   以上から検討項目は何か。

  ① アジア地域における共同関係の尊重
  ② 各自の時刻の中小企業活性化乃至保護政策の尊重
  ③ アジア全体における,Think small first. の共通認識の形成。