名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№129 「わが街」の弁護士

中小企業法務 №129 「わが街」の弁護士

 よく「よその地域の事件はできませんか。」と聞かれる。

 私の場合,愛知県,岐阜県三重県が中心だが,東京,大阪,金沢,宮崎,鹿児島と全国の事件を引き受けている。7年ぐらい前までは,北海道の事件も相談に乗っていた。

 遠隔地の場合,依頼者のコストも大変だ。しかし,ようは弁護士との信頼関係,弁護士の能力に対する信頼,事件の大きさなど,信頼関係を含めたコストベネフィットによって判断される。依頼者にとって採算がとれない場合は,場合によって,当該地域の弁護士と共同して事件を取り組んだりもしている。

 もちろん,弁護士は地域に根ざしている。私の事務所について言えば愛知県を中心に,岐阜,三重,静岡西部というのが主なテリトリーだ。私の事務所も地域に根ざさなければ生きていけない。だから,私の事務所にとって地域は大事だ。地域に貢献することで事務所も発展する。

 この地域に根ざす,地域社会に貢献するというのはどういうことだろうか。なんらかの社会的ボランティアを実施することもあるだろう。それは地域に対する恩返しだ。しかし,本質的には中小企業は自社の発展がそのまま地域社会への貢献とつながっているという形が必要だ。ここが難しい。

 私の事務所の場合,私のまちには「親しめる弁護士がいる」,「強い弁護士がいる」といった感覚をもってもらうことで,「まち」の仲間に「弁護士」が入り,「まち」多様性が増えていくというのが望ましい。それは商店街に魚屋,八百屋,肉屋やパン屋があるのと同じだ。それは,「まち」という単位にわが事務所がどんなイメージを持ち,そのイメージを成長させようとしているかという視点から作ることができるかもしれない。

 中小企業家同友会の中小企業憲章では地域社会に根ざす企業のあり方が追求されている。