名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№79 会社法を単純に理解する。

 最近、また会社法の勉強しているが、どうも複雑だ。複雑な会社法だが,会社法の理念は単純である。それは社会の実態を反映するということにつきる。

 頭の悪い者ほどものごとを複雑にする。賢い者はものごとを単純にする。私たちは単純だが本質的であるときに「美しさ」を感じる。余談だが,高校時代に私は物理学に憧れ,アインシュタインのファンだった。よく言われることだが一般相対性理論での E=MC2 という式は単純で美しい。

 何度も繰り返しになるが,一口に会社と言っても様々だ。トヨタも,私の顧客層である中小企業も同じ株式会社である。しかし,働く人数も,取り扱う経済も大きく異なる。中小企業では取締役会だってわざわざ開くほどのこともないことがある。そこで,会社法はいろいろ,組織を省略したりする,大きな会社では規制を強化するというような施策を講じた。株式の発行でもいろいろなスタイルがあって複雑だ。

 余りにいろいろな組織や活動を予定しているので,弁護士の私であってもよく分からない。しかし,会社法は単純な理念でできあがっている。それは社会の実態に合わせて組織,新株発行,会社の会計を作り上げるというものだ。自分の会社はどのようなものであるかをまず考え,次に自分の会社をどのようなものにしたいかを考える。その上で企業戦略に応じて,定款,株式の発行,会社組織,会社会計を作り上げればよいのだ。