№1961 結果にかかわるコンサルティング
当事務所の企業法務は徐々に進んできて、最近はコンサルタントと呼ばれる職業の人々と接することもできてきた。私たちは法律家であってコンサルタントではないが、コンサルタントのような領域も仕事の範囲にしている。
コンサルティングの最も基礎的な任務は情報の提供にある。
情報といっても様々だ。
① 本やインターネットといった公に入手可能な情報を整理するレベル
② 法律や経営、財政、マーケッティングなど高い専門知識に関するレベル
しかし、コンサルタントに関わる情報の中でも、「結果にコミットする」情報はクライアントが最も強く求めている情報なのだろう。
結果にコミットする情報とは何か?
多くの理論を学んでもそれだけではクライアントは満足しない。クライアントと対話し、クライアントの悩みを引き出し(診断し)、問題解決の提案を行い、それが実現できるための具体的な助言能力が問われる。
コンサルティングにおける結果にコミットする情報とは結果実現のプロセスに応じて、行動に移せるだけの必要な情報ということになる。
たとえば、依頼者は事業承継、合弁、銀行交渉など目標に向かって進むのであるが、弁護士は進行状況に応じて具体的な行動指針を提示することになる。この「プロセス」に関与することが結果にコミットするという意味となる。
情報提供は創造的!
コンサルタントの情報は常に創造的でなければならない。それは「顧客の期待を越える」かどうかが基準だ。
顧客の知らない専門知識の提供。これにより顧客は新たな行動を作ることができる。これは顧客の期待を越えている。
顧客の知らない実践的な手法。専門知識や他社事例や判例に現れた事例をもとにした知識を使う。これは顧客にとって創造的な情報だ。
弁護士は現場に即して応用可能ないくつかのメニューを依頼者に提示し、顧客と共に悩み、選択を助言する。
体系的なアプローチの提案
課題は絞る必要はあるが、課題解決のための行動範囲は広い。
生産管理改革ひとつとっても、在庫、工程管理、さらには会計との結びつきといろいろ広がっていく。
変革を実行するために必要な行動の範囲を決め、体系的に実践していくだけのアクションプランが提案されなければならない。これは顧客の期待を越える。