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№1811 海外交渉と契約の役割

№1811 海外交渉と契約の役割

 グローバリゼーションが進む中、中小企業とは言っても海外とは無縁ではない。海外戦略をどのように持つかは企業の持続性を大きく左右する。業界を取り巻く情勢、自社の業界内での位置づけなどを考慮し、海外との関係について経営判断を行う。

 この判断を前提に弁護士は相手との交渉を進めていく。
 事業は海外だからと言っても基本は同じだ。共同することのメリットをどこまで確定させ、共同することのリスクを確定させ、双方の意思を間違いないようにしていくことだ。
 
 メリットとリスクは契約に落としていく過程で、経営判断レベルでの甘さが明確になっていく。契約とは基本的に権利と義務とで双方の関係を拘束するものだ。権利と義務は常に言葉の上での明確さが要求されるため、経営判断レベルではかなり漠然としていたことが明確になっていく。

 もう一つは、法律は論理の世界であるため、メリット、リスク判断についても論理的な広がりを判断することになる。論理的には考えられるが無視してよいリスクというものもある。論理的に言って初めて気付く大きなリスクもある。もちろん逆もある。つまり、思わぬメリットがあるということだ。

 かように、共同事業を始めるに際して弁護士を早い段階から関与させることは意味のあることだ。弁護士の費用は高いがこれらの作業は今後の事業展開の土台にかける費用としてきちんと支払うべきだ。家は豪華がいいが土台はどうでもいいという人はいないだろう。

 さて、海外事業の場合、こうした作業を海外の弁護士と行うことになる。
 海外事業を展開する上で海外の弁護士との呼吸はとても大切だ。今回、台湾の法律事務所と初めて共同作業をすることになるが、弁護士は弁護士なりに台湾弁護士との人的関係が大切になる。

 ここのあたりは法律的でないのだが、ようするに長いつきあいで信頼関係をつくることや、周辺部の人間関係の一つに台湾弁護士との関係があることが信頼関係の要素となる。つまり、多重な人間観関係があって、それぞれ信頼関係があるため弁護士との関係もまた信頼できるという意味だ。

 こうして、海外特有の法律問題を整理し、少しでも自社に有利な契約書を作成することになる。

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