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№1794 弁護士業界の分析

№1794 弁護士業界の分析

 弁護士業界はいろいろ競争が激しくなって混沌としている。弁護士も経営戦略を持たなければ生き抜けない状況下にあるし、確かな経営戦略を持てば持続的発展が約束される。

 私たちの業界で最も注目を浴びているのは「広告宣伝」というメディアの取り扱いだ。弁護士業界では従来広告を原則として禁止され、私たちの間では広告行為は品のない行為という印象が強かった。

 規制緩和で広告が解禁され、さらに弁護士の数も急激に膨らみ過当競争に入っている。電車広告、インターネット、テレビコマーシャルなどしつこく宣伝することで顧客を誘引する手法が一般化しつつある。このブログだって、私の個人的な勉強だけでなく、広告宣伝を兼ねている。

 広告は当然、一般公衆、不特定多数を対象とする媒体だ。宣伝行為自体がある「量」を越えないと効果が少ないため、多くの宣伝が費用となり、かかる経費も多くかかる。さらに、日常的な競争が激しくこれが宣伝費の上昇を生む構造になっている。

 そのため、大量処理が求められるため、弁護士の数が必要となる。弁護士の給料も極力抑える必要が出てくる。職がない弁護士も増えているため、現時点ではこのビジネスモデルは成り立つ事情がある。

 しかし、私の事務所はこの戦略はとらない。
 事件処理は個別性が高いためそもそも大量処理になじまない。弁護士が成長するのに通常は3年から5年ほどかかるので本来弁護士にはコストがかかる。事件処理に丁寧であって弁護士の能力が高まる面があるので、薄利多売方式の状況では弁護士の成長は多くはない。

 つまり、私の考えでは「法律事務所」という業務は本来は大量処理になじまないし、テレビコマーシャルのような宣伝にはなじまない面があると思う。なじむとすれば、実際、交通事故、離婚、遺産といった比較的定型処理しやすい分野に限定されるのだろう。

 「高品質」を武器に業界内での競争優位を勝ち取るための独自の戦略が必要となる。この場合、「『高品質』を売り込む対象となる顧客は誰か?」ということが問われることになる。次に「その顧客にどのようにアクセスするか?」、アクセスした顧客に「どのように自社の商品を売り込むか?」、そして依頼に結びつけなければならない。当事務所では日々こうした戦略的課題が議論されている。

 なお、「そもそも『高品質』とは何か」という根本的な問いは忘れてはならない。

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