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№1793 情報

№1793 情報

 マイケル・ポーターは1985年の論文で「情報」について触れている。
 1985年言えば、いまからすれば30年前の話だ。だが、その内容は新しい。

 マイケル・ポーターバリューチェーン(価値連鎖)という考え方を明らかにしている。企業活動は仕入れ、製造、マーケッティング、販売、サービスなどの主要活動と共にそれを支える人的資源や管理活動、企業内インフラなどが存在する。

 企業活動が利益を生み出すまでに、企業内の多様な行動が価値の連鎖という形で相互に関連づけられている。この関連づけ全体が企業のアイデンティティを実現し、社会的に支持されれば企業は持続的となり、発展する。

 関連づけは当然情報のやりとりによって行われる。つまり、情報処理は企業活動のあらゆる場面で行われることになるため、情報処理能力の戦略的意義重要性は格段に大きい。

 もちろん事業における相互関係は企業内にとどまらない。材料業者との連携、流通チャンネルとの連携、さらには消費者との連携に情報はかかせない。ポーターはこうした個々の業界における流れを「価値システム」とよび、相互間での情報の重要性を明らかにしている。

 価値を生み出す活動には「物理的部分」と「情報処理部分」とがある。たとえば大量生産を生み出す技術、高品質製品を作り出す技術などが物理的処理部分だ。物理的処理が価値を生み出す過程で情報処理が行われる。この情報が生み出されるところを正確に注目して、情報革命に備えよというのが論文の意図だ。

 ① 情報処理は社内の合理化、最適化を実現して競争優位を導き出す。
 ② 情報処理が業界の構造に大きな変化をもたらす。
 ③ 情報処理が社会に新しいビジネスを生み出す。

 情報の伝達は人の情報処理に引き比べて考えてみれば意味がよくわかる。すべては情報交換があって手、足、口、目などあらゆる部分が統合されていく。最終的には脳が役割を持つが、手足が独自に判断して動いたり、時には細胞レベルで情報は処理されることがある。つまり、体全体で情報処理についての役割分担が行われ、すべてを脳が引き受けているわけではない。情報伝達手段も何も神経に限定されない。ホルモンがあるかもしれないし、目で見た身体の情報が判断材料になっているかもしれない。

 翻って企業を見てみた場合、社内の情報処理システムは十分機能しているかは重要だろう。

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