№1775 君たれと足らざらん
論語のお勉強です。
魯国の哀公が孔子の弟子、有若(ゆうじゃく)にむかって、租税のことを相談したときのことだ。魯国では飢饉が続いて国の財政が乏しくなってしまった。そこで、どうしたらよいかと尋ねたのだ。
有若はなんと減税を実施するべきだというのだ。徹するとはいにしえの法をもってせよ、つまり減税しろというのだ。
「有若對曰、盍徹乎」:有若対(こた)えて曰わく、盍(な)んぞ徹(てつ)せざるや。
その理由がすごい。
對曰、百姓足、君孰與不足、百姓不足、君孰與足。
対えて曰わく、百姓(ひゃくせい)足らば、君孰(たれ)と与(とも)にか足らざらん。百姓足らずんば、君孰と与にか足らん。
民が富んでいたなら、主君たるあなたは他の誰と共に富むというのでしょうか。民が苦しんでいたら、君主たるあなたは誰と共に苦しむというのですか。つまり、君主と民とは一体で、一方が富み、一方が苦しむとはありえないというのだ。
増税を企む安倍政権に聞かせてやりたい問答だが、この道理は経営者も同じだ。会社が苦しいときは社長は社員と共に苦しみ、会社がよいときは社員とともに喜ぶというのが道だ。
ということで論語はなかなかよい勉強になる。
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