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№1405 「かしわ」って名古屋弁?

№1405 「かしわ」って名古屋弁

 最近ちょっと減ってきたが,名古屋人は鶏肉のことを昔から「かしわ」っていう。フェイスブック名古屋弁クラブの話では,名古屋人が関東に行って「かしわ」って言うと笑われるそうだ。お隣り,三河地方でも「かしわ」は通用しないらしい。

 ということで,「かしわ」を名古屋弁だと思っている人も多い。
 しかし,「かしわ」を使っているのは名古屋だけじゃない。うちの奥さんは滋賀県長浜市の出身だが「かしわ」を使っていた。

 「かしわは昔から標準語に決まっとるがや。東京は田舎の人ばっかりだでね。標準語知れせんでかんわ。」
 ということで「かしわ」を調べてみた。

 京都でも「かしわ」は使う。試しに「かしわ,老舗,京都,鶏肉」と検索すると「鳥松鶏肉店」が出てくる。「明治37年創業、4代100年続く老舗。魚でいえば活け物の「かしわ」、鶏肉屋さんです。」と紹介されている。京都には地鶏専門店「かしわ」という名前の料理屋さんもあるぞ。

 「かしわ」の言葉は九州でも使っている。福岡には「かしわ屋源治郎」「かしわ屋官兵衛」という鶏肉店がある。ついてに鳥料理で有名な宮崎県を探してみると,小林養鶏という養鶏業のおじさんは自分のことを「かしわ工房」と呼んでいる。

 とうことで,かしわけっして名古屋弁じゃない。そもそも,かしわという言葉の由来は褐色の鶏のことを言ってたらしい。「黄鶏」と書く。鶏はもともと褐色系でアジア各地で道路を歩いている鶏はみな褐色系だ。チャボや小国といった白系のニワトリが来たのは意外と新しい。白色レグホンなどは第二次世界大戦後日本に導入された。

 どうでもいいけど,中国語ではニワトリは「鸡」,コーチンは「九斤黄鸡」と言っていて,黄鶏という言葉を使っている。
 かしわの由来は鶏の羽ばたきが柏の葉っぱに似ているというところから来ているらしい。天皇家の食事担当部を膳部(かしわべ)と言っていて,そこから「かしわ」が来たという説もある。関係あるか関係ないか,聖徳太子の奥さんは膳部菩岐々美郎女(かしわでのほききみのいらつめ)と言っていた。かしわ姫ですけど関係ないかな。

こんな漫才もある。若い人は知らないかも知れないが「いとし・こいし」と言えば伝説の漫才師だ。

いとし: ボクはカシワがわからんから聞いてんやで。
こいし: 何?
いとし: カシワの説明してもらおうか、カシワの説明や。
こいし: ニワトリもカシワも一緒。
いとし: 何?
こいし: ニワトリがカシワ、カシワがニワトリ。
いとし: ほな、あいつ、2つも名前あるのか?
こいし: 生きてる間の名前がニワトリ、死んだら戒名がカシワ。
いとし: カシワ言うのはニワトリの戒名か。
こいし: そりゃ、死んだら戒名がつくもんやないの。
いとし: 知らんかったね。
こいし: 生きてる間がニワトリで、死んだら戒名がカシワ。


             写真は名古屋コーチン