http://t2.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRdRaxy1lij1WouBpXcbMRZmx4CIky2SaitEWtpQ-Q8gNgOxGJ0UQ№1220 たまには動物はいかが「猫」
猫と言えば、犬とならんでペットの2代巨頭の一つだ。そのルーツはリビアヤマネコだというけれどはっきりしない。ピラミッドの壁画にも猫は登場する。猫は臆病なので、時々脅かすと大慌てになっておもしろかったりする。
ともかく、猫の気位の高さや、あいくるしい仕草に私達は魅了される。
菱田春草に黒猫を題材にした日本画が多数ある。猫が異次元の使者のようにじっとうずくまっている様子は春草の思想をよく表しているように思う。近づくことのできない幽玄にあこがれ、その入り口を猫に託しているかのように思われる。
猫が異次元の使者であるというモチーフはいろいろなところで現れる。例えば、不思議の国のアリスではチュシャ猫がアリスに不思議の国を語る。不思議の国の住民の中で唯一アリスにその国のことを語る登場者だったように思う。
宮沢賢治の童話に登場するヤマネコもなんだか別の世界の住民のようだ。「注文の多い料理店」では紳士たちが服を脱ぎ、体にクリームを塗り、ついにはヤマネコの大きな口に案内されていく。猫の口が異次元の入り口だったりするかもしれない。
猫は何もかも知っている。
猫を見る者は猫が自分の人間の運命も、本当の自分の姿も全て見通していると思う。ある者は猫に思い出を託したり、ある者は猫を悪魔の使者のように思ったりする。猫の持つ美しさと冷静さ、肉食獣としての残酷さが私達にそうしたイマジネーションをもたらしてくれるのだろう。