№1125 忍者
忍者と言えば、伝説のカムイ外伝だな。「飯縄落とし」とか「変移抜刀霞切り」とか、修練によって極限まで鍛え上げられた奇跡の技に心が躍ったものだ。
同じく白土三平の忍者漫画「サスケ」でもいろいろ術があった。若い人は知らないかなあ、「分身の術」とか、「猿飛の術」とか出てきた。漫画でその原理が解説してあったので、なんだか自分でもできそうな気がしたものだ。実際、自分でもやってみようと思って練習したことがあるがダメだった。あんなの無理に決まっているよね。
日本の忍者と言えば当然諜報機関なのだが、「術」によって不思議な現象を巻き起こすというのでやはり憧れだった。それが人間の修練によってできるのだというところが、やはり惹きつけられる。
江戸時代が終わって明治となり、警察制度や軍事制度ができあがって諜報機関が整備されれば忍者の役割も終わる。実は戦国時代が終わって江戸時代となり、その頃から忍者の役目も無くなってきたという考えもある。江戸時代、忍者は生活ためにつちかってきた技を見せ物のようにしていたという話もある。それが影響してか、江戸時代、義賊「児雷也」などが流行し、歌舞伎などの世界でガマガエルの術を使う忍者が登場する。
しかし、実際には忍者たちは全国の大名たちの諜報活動をしたり、江戸市中の警備活動にも携わっていたようだ。ペリー襲来の時も活躍したらしい。忍者の頭領、服部半蔵は「半蔵門」という江戸城の門に名前をつけてもらっていたくらいだから、江戸時代に忍者が無くなったということはないだろう。
ともかく明治になってお役ご免となったが、忍者は物語の世界の中で脈々と日本人の心をつかんできた。無声トーキーが輸入され、目玉のまっちゃん、尾上松之助が活躍したころ、忍者映画は大人気だった。まっちゃんは巨大ガマガエルを操った。神出鬼没、あっちと思えばまたこちらといったトーキーならではの瞬間移動などあって、おもしろよね。でも、あのガマガエルは一体何のために出てきているのかよく分からないな。
ユーチューブ、目玉のまっちゃん「豪傑児雷也」 → http://www.youtube.com/watch?v=oHrwXtlDg1A
※ 無声トーキーなので退屈。後ろのほうでちょっとだけガマガエルが出てくる。
忍者は高い専門性と秘密性が売り物だが、アメリカの忍者はどうもスパイダーマンのようになっていて、けっこう派手にたちまわる。昼間から黒装束を着ているとかなりめだつ。忍者としてどうかね。しかし、英雄だったりするので目立たないとまずいよね。
子供の頃、近所に確か森田君というの男の子がいた。彼の実家は忍者の家柄で、一度遊びに連れて行ってもらったことがある。手裏剣とか鎖帷子とかの本物が蔵の中にしまってあった。そのときの感動と言ったらない。おまけに五右衛門風呂も初体験だった。そういえば、石川五右衛門も忍者と言えば忍者だ。