名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№1094 強い企業でありたい

№1094 強い企業でありたい
 中国での反日運動が継続している。あまりの行動に多くの人々が中国人にいやな感情を持ったのではないだろうか。冷静な人々もいて、中国人の全てがそうではないと言っている。しかし、時代の空気というのはどのように考えても否応なく私達を巻き込んでいくところがある。

 激しい反日的なメッセージは中国のみならず、韓国にもある。中国、韓国の経済的な成長は反面として日本経済の劣勢を印象づけてしまう。妻や母などは日本はどうなってしまうのだろうと暗い気持ちで話すこともある。時代の空気というのはそういうものだ。

 私のところにも中国関連のニュースがいろいろな形で入ってくる。中国政府の税関が厳しさを増してコンテナが止まってしまったとか、中国での生産が止まってしまったとかいろいろだ。

 危機にあって、企業の強さが試される。企業が長く続いている限り危機は避けられない。しかし、危機は必ず乗り切れる。私は常に思うのだが、どんな状況下でも企業は潰れることはない。たとえ、中国という巨大な国家によるものであろうが、企業は潰れることはない。その企業の製品が社会的に支持されている限り、必ず活路は存在する。にもかかわらず倒産するのは潰れると感じ、心が折れるからだ。

 私たち弁護士はいろいろな企業の相談を受ける。社長たちが会社の将来を見据えて戦略を組み立てる。リーマンショックでの大変な打撃であったり、狙っていた商品が売れなかったり、社員が離反したり危機の形態はいろいろだ。強い会社に共通するのは、こうした危機に立ち向かって、けっして会社は潰れるものではないという強い信念があることだ。その信念があらゆる手段を生み出すことになる。

 顧問弁護士の大きな役割は、どんな状況下でもけっして企業は潰れることはないというこの信念を支えることにある。

 勝海舟宮本武蔵について氷川清和で評論している。関係ないのかも知れないが、危機にあってもぶれない信念というのはこういうところにあるかもしれない。
「このひとは仇があったので、はじめは決して膝から両刀を離さなかったが、一旦豁然として大悟するところがあって、人間は決して他人を殺されるものではないという信念が出来、それからというものは、まるでこれまでの警戒を解いて、いつも丸腰でいたそうだ」(勝海舟「氷川清話」より)