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№477 顧客、利益、価値、そして私の事務所 (1)

№477 顧客、利益、価値、そして私の事務所 (1)
 私は弁護士という業界が大きな変化を見せていることを肌でひしひしと感じている。私たちは何をするべきだろうか。ドラッカーのマネジメントは示唆に富んでいる。そこで、改めて、私の事務所はこの変化にあってどのような存在価値があるか考えてみたい。
 
 企業は社会に支持されて存続する。企業にとって社会的支持の指標は「利益」である。利益は「成果を確かめるのに役立つ」。どのような理想も、社会的支持を得られず、すなわち利益が生み出されなければ持続性を確保できないし、実践の場では誤りとなる。
 
 企業にあっては、どのような理想も現実に役立たなければ意味がない。もちろん、現実に役立つという意味は、短期利益を上げるという短絡的なものではなく、企業の理想から考えて、企業の持続性、永続性にとって役立つかどうかという意味ではある。これは人が理想を掲げて生きていくのに似ている。もっとも、人の場合は「利益」を指標にすることはできないだろう。
 
 ドラッカーの場合、社会的支持と顧客の支持と同意義に使われることが多い。マネジメントという実践的立場からすれば、企業の目的は「顧客を生み出すこと」ということになる。
 企業の持続的発展の鍵は、企業の理想が社会に受けいられていることであるならば、活動の最終目標である「顧客を生み出すこと」という社会の現場に持ってくることは自然なことである。
 
 ドラッカーは自社の顧客は誰か、何が顧客にとっての価値か、自社の事業は何か、自社の将来の事業は何か、こういった問いを緻密に行うことを求めている。それは、意外と平凡な作業ではある。