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№441 社長の役割

№441 社長の役割
 先日、中小企業家同友会の会合で社長の役割が話題になった。

 金融不況が長期化し、最近は2局化が進んでいるような気がする。一昨年の急激な景気の悪化から、倒産企業があいついだ。そんな中でもしぶとく生き残った企業があるのだが、ここにきて、そこそこ業績が回復している企業と、業績が回復せず依然低迷している企業とにかなりはっきり分かれている気がするのだ。

 その差は何か。もちろん、経営環境の悪化という外部的な要因もあるが、社長の役割の差というのもあるのではないかというのだ。創業時の精神をとりもどして、会社の最前線に立つ、これは今の不況下は当たり前だ。社長の役割はそれではたりないというのだ。

 社長は会社の大きな方針を作り上げる。今まで通りのことをやっていてはもたない。そんな時に大きな方針転換が求められるというのだ。それが社長の役割だと。これは言うは簡単、アイディアを出してみろと言われると本当困る。分かるならやってるわい、と言いたくなる。

 このアイディアは現場だけでは生まれないらしい。つまり、現場にこだわりすぎると、かえってそれから外れなくなってしまうというのだ。確かに、現場ではうまくいっていないから何かしなければならない。現場にはこだわれない。現場から離れてものを見るというのも社長の役割らしい。

 ある社長は言った。付加価値というのは、何か付け加えることではない。新たに必要としている人を見つけ出す作業だというのである。必要としている人を見つけ出して、それに必要なものを渡せば売れるというのだ。病気の人がいれば、病気の人のための食品を作り出す、そうすれば売れるというのだ。確かにそうだ。そういう人を見つけ出すのも社長の役割だという。

 現場情報は利益の源泉だ。自分の作っている商品がどこで利用できるか理解することは新たなニーズを見つけ出す秘訣だ。たとえ小さな部品であっても、自分の商品がどこで利用されているか正確に理解する必要がある。そこで、足りないものを見つけ出し、補えば商品はよりたくさん売れる。小さな現場にこだわっていては分からない。向こうにある、現場を知ることは社長の役割だ。