名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№419 不公正な取引方法(中小企業法務)

№419 不公正な取引方法(中小企業法務)
 独占禁止法は中小企業法務にとって重要だ。
 独占禁止法は公正な取引を目指すものであるが、その内容は自由な市場を守ることにある。自由な商売はルールがなければ保たれないと考えるのである。

 たとえば、中小企業と大企業との間では大きな力の差がある。力関係が大きい中では、必ずしも自由な競争があるとは限らない。力の差から、中小企業の製品、サービスが本来の市場価格より低く抑えられることは珍しくない。その場合には自由な商売が抑制されているというのである。

 その中で「不公正な取引方法」の禁止が役立つことがある。たとえば、セブンイレブンの例だ。販売店が値引きをしようとしたところ、それを行うのであれば取引を中止するとした事例は「優越的地位の濫用」と言って、力にものを言わせた横暴は独禁法に反して違法であるとされた。

 この場合、公正な取引=ルール化された自由競争は市場を活性化させ、消費者の利益につながる。中小企業は「自律」できることが大きな目標の一つだが、それは「自社商品の価格を自社のイニシアティブで決めることができるようにする。」という意味でもある。市場以外の原理で制約されてしまうのであれば、適正に自社商品が評価されたとは言い難い。
 
 こんな例がある。
 取引拒絶、不当廉売、差別対価、抱き合わせ販売、など。これに優越的地位の濫用も含まれている。

 中小企業がいじめられた場合、私はまれに独禁法を利用することがある。地方の公正取引委員会と協議して、独禁法違反となるか検討し、そのお墨付きを利用して大企業との交渉上の地位を有利に進めるのだ。公取の指導などが入ったりすると、企業は驚くほどもろくなることがある。そんな時は「ざまをみやがれ」って感じだ。