名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№409 交通事故も取り扱います。

№409 交通事故も取り扱います。
当事務所は中小企業だけはなく交通事故の法律相談も行っています。

交通事故被害者は被害の苦痛もあるが,その上にそれを金銭交渉しなければならないというつらさが加わる。死亡事件では肉親の死を金銭換算しなければならないという非常に残酷なことが起こる。保険会社はは自社の利益を考えながら賠償金を提示する。それに対して,値上げ交渉するのだ。もう,そんな低い金額のはずがないとか,もっと金額をあげろとか,そんな交渉をしなければならない。

交通事故を扱う弁護士はここのあたりの被害者の気持ちや,保険会社の問題点を認識しなければならない。賠償請求が被害者の気持ちを代弁するものでなければならないが,それは,ある種の「死者の誇り」を守るものであったり,「喪の途上」であったりすることを理解しなければならない。

また,保険会社は社会的公器として使命を果たさなければならないのであるが,営利という企業の論理が常に出てくる。我々の仕事は,企業としての社会的責任を明確にする作業でなければならない。現代社会は保険なしで交通事故事件が解決されることはない。保険の役割は大きい。遺族の気持ちを代弁するとは,企業の社会的責任を追及すると同義だと思っている。

このような事情は,後遺症の場合も同じだ。最近の事件では,全身麻痺であるにもかかわらず後遺障害を否認した事例を取り扱った。保険のシステムは過酷だ。レントゲン写真など画像所見がなければ後遺症を認めないのだ。車いすの生活を余儀なくされた依頼者はどれほど悔しかっただろう。彼女の裁判は被害を被害と認めさせるものとなったし,それが彼女にとってつらい人生を受け入れる過程となった。裁判は完全勝訴し,交通事件史上でもまれな劇的な判決となった。

もちろん,弁護士が扱う以上高い専門性が必要だ。私たちは特に医学,交通工学など科学的テーマに研鑽を積んでいる。法律的に専門性が高いというだけでは専門家にはなれない。医学的なテーマや工学的なテーマなど科学的な問題に強くなければならない。