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№1426 業務提携契約上の注意事項

№1426 業務提携契約上の注意事項

 新しい仕事をする場合,業務提携契約を締結しつつ事業を具体化していく。
 業務提携契約の内容は実に多様で,交渉の議事録のようなものから,資本提携フランチャイズ類似内容など具体的な定めをする場合もある。このような場合に,契約をどのように作っていくかについては多くの場合弁護士は余り関与していないようだ。しかし,弁護士の関与がないばかりに何億の投資が無駄になってしまうこともある。

【事業目的】
  業務提携契約は共通の事業のために連携する契約だ。
  連携する事業内容の定義はできるだけ正確にすることが望ましい。どんな事業をいつから,どのようにするまてに業務提携をするのか,目的はできるだけ明確に明示されるべきだ。
  新しい事業を解するにあたって「相互繁栄を願い」というような意欲を示す場合があるのも業務提携契約特有のことだ。

【事業の役割の明確化】
  業務提携は企業同士がお互いの協力関係が当然あるので,契約関係に入るに当たって,相互にどのような役割を担うかをしっかりと記載する必要がある。
  A社は顧客開拓,B社は技術開発,C社は製造といった具合の役割を明確にする。

【利益配分など】
  各社がどこでどのように利益配分するかについて,もし可能なら定めてくことは望ましい。もっとも,新規事業が多いので難しいかもしれない。

【コスト負担】
  コスト負担の相互の取り決めも必要なことだ。これはもめることが多い。
  つまり,始まりをなあなあで進めていると,どちらかが予想以上にコストを負担することがある。この場合,パートナーが割高感を持ち始めるとうまくいかない。時には「騙された」などと思い始めたら業務提携はもう破綻してしまう。

【高額な投資する側の注意事項】
  業務提携契約はこれから事業を開始するため,数億円といった特に多額の投資をする側はその動機をきちんとしておく必要がある。つまり,「事業は確実に展開する」ということが前提で,数億と投資する場合,その根拠を明確にしておく必要がある。

  パートナーがいいかげんで,多額な投資を引き出すために,顧客がとれることを誇張して説明する場合がある。この説明ついて,きちんと「真実である」という保証をとっておく必要がある。これはきわめて重要なことで,弁護士ときちんと相談しなければならない。