№1180 祇園 富乃井
昨日、京都で仕事があり、午後7時、もう帰ろうということで、突然子供たちを食事に誘おうと思い立ち、呼び出した。私の長男ひーちゃん、長女なーちゃんは共に京都大学に入り、生活している。
長女はーちゃん、電話して「どうだ。」と誘ったが、なんと彼氏といっしょにいるとかで「ごめん」と断られた。彼氏ということではしかたがない。らんちき騒ぎが大好きなはーちゃんだが、彼氏はいるようだ。
次にひーちゃん。ひーちゃんは夜遅くまで研究に余念がない。「ジャージだけどいい?」というが「どんな格好でもいいからおいで」と研究中のひーちゃんを無理矢理誘っておいた。
食事先は花見小路古門前西入る、「富乃井」という、小料理屋だ。この富乃井、ちょっと見た感じよく分からない。もとは御茶屋さんでお茶屋独特の作りを持っている。門をくぐって小道をたどり、奥まで行ってようやく玄関にたどり着く。
カウンターとは別に小さな小部屋もあり、かつては舞妓や芸妓なども来ていたのだろう。京都の中心部を流れる「しらかわ」に面していて、中々粋な感じがする。普通では入れない。川端康成、湯川秀樹や司馬遼太郎も利用したことがある。
この小料理屋とはもう20年以上つきあいがある。私が弁護士になったばかりで少し給料が出たので、両親を京都に呼んで食事をごちそうしたことがある。前から一度子供たちをさそって見たいと思っていた。
まず、ひーちゃんがやってきて、慣れない雰囲気にちょっと驚いていた。そこで、やはりはーちゃんも呼ぼうということになり、「彼氏も連れておいで」と誘ったら、彼氏もやってきた。はーちゃんの彼氏とは初対面だ。私はどうってことなかったが、向こうは大いに緊張しただろう。中々、かわいいところのあるよい青年だった。
写真は富乃井