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№1181 不良社長と暴力団の癒着

№1181 不良社長と暴力団の癒着
 不良社長が暴力団などにむしばまれて会社が急速に枯れていくということが極めてまれに起こる。

 不良社長がギャンブルや女性問題でお金をつかい始め、だんだんと度を超していき会社のお金を持ち出していく。だんだん歯止めがきかなくなり、暴力団とのつきあいが始まり、さらには暴力団からお金を借りてしまいその返済を迫られてしまう。時には情婦がやくざ風の男を引き連れてきて、会社に対して貸した金を返して欲しいということもある。

 こういう手合いはあわよくば会社を乗っ取ろうなどと考えたりするがうまくいかない。
 中小企業の場合、実際に会社を動かしているのは人であるため、変な人間が会社に出入りするようになれば人が離れ、従業員はもちろん、お客さんも取引を中止したりする。

 当然、会社を乗っ取る前に会社が無くなってしまうのだが、そんな時の彼らの考えは会社から金を取れるだけとってあとは野となれ山となれという行動に出る。会社の預金を引き出す、あるいは会社の経理に恫喝を加えて会社に金を借りさせ、その金を持って出るなど彼らの行動はきわめて端的に表れている。

 しかし、総ては社長の了解のもとに行われ、社員がこれを排除することは非常に難しい。このような末期に近づくと社長はどこかに行って、姿を現さないことがある。やくざに監禁されているんじゃないかと噂されたりする。

 弁護士の役目はこうした不良社長を会社から引き離し、従業員や会社を守ることになる。不良社長に対しては特別背任罪をもって刑事告訴し、さらに少数株主権などを利用して社長の職務停止を行う。不良社長及びその関係者に対しては浪費した文の損害賠償請求を進めていく。暴力団に対しては面談強要禁止の仮処分や、業務妨害罪、不退去罪などを利用して刑事告訴し、時には警察とも連携してやくざを排除していくことになる。

 弁護士は大きな難局を乗り越えるための基本戦略を常に提示し、社員をはげまし、時には労働組合の結成を指導することもある。これまで築き上げてきたものを守ろうという強い姿勢があるかぎり困難は乗り越えられる。