名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№888 何のために考えるか

№888 何のために考えるか
 愛知県三河地方、鳳来峡赤引温泉にきています。おそらく私以外にお客がいない感じで、栄華も今は昔と言った感じの旅館です。全く静かで携帯電話もうまくつながりません。テレビも見ないでじっとしているとぼんやりとしてしまってとてもいい感じです。

 今日、特別に休みを作ってこの場所に来たのは、事務所の転換期に当たって再度事務所経営の戦略を練るためです。私は長く一人で法律事務所を経営してきて、環境問題などやりたいことをやってきました。私がやってきたことはおそらく、日本では類を見ない活動だったろうと思います。

 みなさまご存じの通り、法曹界は大変な危機的な状況で若い弁護士たちが就職に困るという事態が生じています。私と志を同じくし若者たちが、本来前途を約束されなければならないにもかかわらずこのような状態であるとは本当に情けなく思います。多くの若い人たちは才能があり、彼らに機会を与えれば、おそらく日本の歴史どころか、世界の歴史を動かすほどの能力を発揮することでしょう。

 しかし、弁護士にとって現在は誠に不思議な状況で、弁護士人口の増加は弁護士という職業にとっては危機なのですが、一方で有能な弁護士も増加しているため、ある意味では大きな変化を作るチャンスでもあるのです。重要なのは機会です。彼らに国内的にも国際的にも活躍できる機会を作ることに意味があるのです。

 私はこれまでいろいろな活動を続け、国内外で多くの支持を得てきました。私の活動を慕ってくれる若い法曹も少なくありません。私の使命は、こうした若者たちに機会を与えることです。弁護士として高い能力を備え、日本や世界の潮流を感じ取り、歴史が求めるただ一つの沸騰石を投じることができる弁護士を育てあげることが私の使命です。世の中が動こうとしているとき、訴訟という一つの行動が沸騰石のように世の中を動かしてしまうことがあります。彼らにはその沸騰石を投じる適格があります。

  6年前、私はそんな理由から事務所を大きくすることにしました。事務所を拡大し、才能ある者たちを吸収し、彼らに機会を与えることが私の使命ですし、私の事務所の使命です。事務所は徐々に形を作り上げ、私の最初の計画は来年8月には一段落することでしょう。私がこの6年かけて作り上げてきた形を確実なものとし、次の3年では組織がまるで生き物のように自分で成長していく仕組みを作り上げていくつもりです。

 私は私一人しか客のいない、このけっして流行っているとは言えない温泉宿にきて、こうして次の3年の設計を考えることは非常に幸福なことです。パソコンに用意したモーツァルトのヴァイオリンコンチェルトを聴いていると、今の私の気持ちがわくわくしていた遠い昔と同じ気持ちであることがわかります。