名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№54 弁護士競争社会,法律事務所は大変だ。

 中小企業同友会では自社の経営環境についての分析をする勉強会をしている。ニュースなどでいろいろな情報は入ってくるが,改めて自分の経営環境を検討することは少ない。
 弁護士は司法試験という資格試験に合格しなければならない。私のころは大変な難関で,よく覚えていないが確か合格率は0.5%ぐらいだったと思う。ひやかしもかなりあったように思うが,大学法学部で一応の勉強をして臨む人たちが,一応受験勉強をして試験に臨んでこの数字であるから,この数字は決して軽くない。何年もかけて受験する人がいて,15年ぐらい浪人して合格できたという人もいる。私の同期にも京都大学で20年近く勉強していた人もいる。これにはさすがに驚きだが,考えてみればその人の人生は自己責任で選ばれるべきだから,まわりがとやかく言う必要はない。長い受験生活を続けてきた人でもよい弁護士はたくさんいる。むしろ,長い受験生活の中で法曹への理想を磨いたため,合格後は一心に活動して立派な業績を上げている人は少なくない。
 現在はこの制度は大きく変わり,大学には法科大学院という法曹養成機関が置かれ,法曹人口は飛躍的に増えている。この法曹人口の増加は実はグローバリゼーションの影響なのだ。競争社会では法律の需要は必要だ,弁護士という閉鎖社会はもっと開かれ無ければならない,弁護士が競争して市場を開拓すれば法曹需要は掘り起こされるだろう等々,いろいろ批判を受けて法曹人口は伸びていった。
 この影響で我々法律家も安閑としておられず,「営業」を強く意識せざる得なくなった。公告宣伝を行ったり,独自の専門分野を作って信用を得たり,いろいろ考えなければならないことが多い。弁護士は勉強しすぎて頭でっかちになり,営業が苦手な人が多い。いわゆる武家の商法で,いろいろ考えるが庶民の心をつかむことがなかなかできない。このブログも漢字が多すぎて堅すぎるぞと批判を受けている。