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№984 東北の教訓

№984 東北の教訓
 愛知県の中小企業家同友会では毎年おおきなフォーラムを開催する。今回は全国大会と重なるのでさらに大きい企画となる。その分科会として私の友人が東北の企業に来ていただき講演していただいたらどうかという内容を企画している。

 岩手県陸前高田市にあって、被災された㈱高田自動車学校 田村社長からの報告を計画している。被災によって会社が壊滅的な打撃をうけたものの、地域のためなら何でやると言う不屈の精神をもって事業を継続させてきた人だということだ。社員の中には娘を亡くした人もいる。地域で子供を育てようとする人もいる。災害で様々な困難を背負わざるえなかったそれぞれの社員と向き合い、地域を語り、事業を継続させようと努力してきた。このような人から私たちは学ぶことは多い。

 以下は私が友人に提案した企画の趣旨。

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 東北大震災という未曾有の困難にあって、企業として生き残りをかけて活動を続ける源泉はなにか。それは自社が地域で果たす役割を本当に自覚できたからではないでしょうか。同じく被災し、同じく災害を乗り越えようという社員の存在が社長に地域で生きる決断と勇気、その後の努力を生んできたのではないでしょうか。人を生かす経営とは、ともに歩んでくれる社員がいるという感謝、人と生きていけるという感謝がある経営ということだろうと思います。

 翻って、長引く金融不況下、私たちの企業は今ある困難をどのように立ち向かおうとしているのでしょうか。私たちは誰のために事業を発展させようとしているか考えているでしょうか。困難な環境下にあって、発展をめざそう強い原動力は、社員とともに生きていく喜びの中には生まれるということはないでしょうか。

 あなたの会社は誰のために存続させなければならないのか改めて考えてはいかがですか。人を生かし、人に生かされる企業とはどんなものか東北の企業から学んではいかがでしょうか。

 中小企業憲章は地域経済を振興し、雇用を確保するという中小企業の使命を謳っています。それは結局のところ、社員とともに地域に生きるということかもしれません。この企画では立ち上がろうと苦闘する東北の企業からの報告により。社員との関係、地域に根ざすこと、雇用を確保することの本当の意味を改めて問い直します。