№845 秋
秋は夕暮。夕日のさして山のは いとちかうなりたるに、
からすのねどころへ行くとて、みつよつ、ふたつみつなどとびいそぐさへあはれなり。
まいて雁などのつらねたるが、いとちひさくみゆるはいとをかし。
日入りはてて、風の音むしのねなど、はたいふべきにあらず。
秋と言えばモミジ。モミジを漢字変換すると「紅葉」となる。モミジはカエデのことを言うのだが,広義には紅葉全般を言うのだそうだ。赤や黄,色が変化するものはみなモミジらしい。童謡の「もみじ」はすべての彩りを表す「紅葉」らしい。その絢爛を「錦」と表現している。
秋の夕日に 照る山もみじ
濃いも薄いも 数ある中に
松をいろどる かえでやつたは
山のふもとの 裾もよう
渓の流れに 散り浮くもみじ
波にゆられて 離れてよって
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦