№2270 「和食」ってなんだろう
和食は多様性は世界に類をみないんじゃないかな
しかし,確かに日本の料理は多様だ。例えばアメリカなんかに旅行するとその違いを実感する。アジアの料理もおいしいものが多いと思うし,中華料理なども実に多くの珍味がそろっているが,それでも和食の多様性は群を抜いているように思う。
そうは言っても,「和食」と言われる食文化の共通点は存在する
和食のもっとも大きい特徴は肉がない,魚を多用されている,五穀はもちろん豆類など植物系の食材が使われているといったところか。醤油,味噌,酢,味醂と発酵系の調味料が多いのも特徴かな。
古事記によると,アメノウズメ命が大小のあらゆる魚類を集めて「汝は天つ神の御子に仕え奉らむや」と聞いたところ「仕え奉らむ」と応えたそうだ。
日本人は肉食が苦手
和食はこうした米,五穀,魚類,鳥類などを中心に発展し,さらに平安時代から江戸時代にかけては肉類を穢れたものとして考える文化ができあがっていったようだ。
これは仏教の影響も大きい。日本の仏教では殺生は強く禁じられている。鎌倉時代多くの僧侶が南宋に留学して禅宗を学んできたのだが,そのときに精進料理を持ち帰った。ここから植物系食材で料理を組み立てる文化が大いに発展したように思う。
味噌,醤油,発酵系調味料は江戸時代から
醤油,味噌,酢,味醂など発酵系調味料が多いのも「和食」の特徴だ。これらの調味料のほとんどは植物素材のものだ。魚醤は日本ではほとんど使われないね。
こうしてみると,和食,和食というが,けっこう新しい。料理屋ができて庶民が工夫された料理を楽しむようになったのは江戸時代らしい。
貪欲な和食は外国の料理をどんどん取り入れている
天ぷらはヨーロッパのフリッターという揚げ物料理が日本に輸入されたものだ。16世紀には長崎天ぷらが誕生し,江戸時代に天麩羅料理として確立した。明治維新になると,福沢諭吉先生が肉食しないと文明人じゃないと言ったものだらか,すきやきが発明され,大いに流行した。
最近など,「和モダン」というコンセプトができあがり,おしゃれな和室におしゃれな和食などができあがっている。
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