名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№2270 「和食」ってなんだろう

№2270 「和食」ってなんだろう

 平成25年12月に和食がユネスコ無形文化財に登録された。農水省の説明によると,「和食」は料理そのものではなく,「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」ということだ。

 私などは農水省は開発にあけくれ,日本の里山,里海を破壊し続けてきたと思ってしまい,何をいまさら言っているのだといいたくなる。

和食は多様性は世界に類をみないんじゃないかな
 しかし,確かに日本の料理は多様だ。例えばアメリカなんかに旅行するとその違いを実感する。アジアの料理もおいしいものが多いと思うし,中華料理なども実に多くの珍味がそろっているが,それでも和食の多様性は群を抜いているように思う。

そうは言っても,「和食」と言われる食文化の共通点は存在する
 和食のもっとも大きい特徴は肉がない,魚を多用されている,五穀はもちろん豆類など植物系の食材が使われているといったところか。醤油,味噌,酢,味醂と発酵系の調味料が多いのも特徴かな。

古事記日本書紀にも日本食ルーツがみられるぞ
 古事記によると,アメノウズメ命が大小のあらゆる魚類を集めて「汝は天つ神の御子に仕え奉らむや」と聞いたところ「仕え奉らむ」と応えたそうだ。
 つまり,天の神々の御饌(みけ:供え物)となる気はあるかと尋ね,神への供物となると返事した。古事記日本書紀には穀類や魚はたくさん出てくるが,肉類が出てくることはほとんどない。

日本人は肉食が苦手
 和食はこうした米,五穀,魚類,鳥類などを中心に発展し,さらに平安時代から江戸時代にかけては肉類を穢れたものとして考える文化ができあがっていったようだ。

 これは仏教の影響も大きい。日本の仏教では殺生は強く禁じられている。鎌倉時代多くの僧侶が南宋に留学して禅宗を学んできたのだが,そのときに精進料理を持ち帰った。ここから植物系食材で料理を組み立てる文化が大いに発展したように思う。

味噌,醤油,発酵系調味料は江戸時代から
 醤油,味噌,酢,味醂など発酵系調味料が多いのも「和食」の特徴だ。これらの調味料のほとんどは植物素材のものだ。魚醤は日本ではほとんど使われないね。

 昆布や鰹の出汁を利用するもの特徴的だ。しかし,出汁の文化が始まったのは室町時代らしい。味噌,醤油,酢,味醂などが発展したのは江戸時代からということだ。

 こうしてみると,和食,和食というが,けっこう新しい。料理屋ができて庶民が工夫された料理を楽しむようになったのは江戸時代らしい。

貪欲な和食は外国の料理をどんどん取り入れている
 天ぷらはヨーロッパのフリッターという揚げ物料理が日本に輸入されたものだ。16世紀には長崎天ぷらが誕生し,江戸時代に天麩羅料理として確立した。明治維新になると,福沢諭吉先生が肉食しないと文明人じゃないと言ったものだらか,すきやきが発明され,大いに流行した。

 最近など,「和モダン」というコンセプトができあがり,おしゃれな和室におしゃれな和食などができあがっている。

名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら
             → http://www.green-justice.com/business/index.htm

イメージ 1