№2269 対ヤクザ7箇条の対応法
正式組員はそれほど多くありません
会社,特に小売りをやっている事業者は時々変なクレームを付けられる。ヤクザの存在はまれで,直接現役のヤクザと接したことがある人は多くはないだろう。弁護士だってそんな多くはないが,職業がら,私の場合,2から3年に1度ぐらいは対決しなければならないことがある。ヤクザとはいわないまでも,それに近い連中はけっこういる。
ヤクザは恫喝と暴力で迫ってきます ヤクザの特徴は恫喝と暴力だ。取締が厳しくなりすぐ逮捕されてしまうので,彼らなりに生活を考え暴力というのはやたらめったら使うことはない。暴力を使うことがはっきりメリットになる,警察につかまらないだろうと確信したときにはそれを利用する。 その1 やくざを挑発してはならない。 ヤクザへの対抗手段はけっして挑発しないことだ。彼らは興奮した状況ではひたすら怒鳴り続け,収まることがない。それによって被害者を精神的に追いつめていく。なまじどなりあったりしたら相手の土俵の上だ。
その2 丁寧にかつ毅然と対応する。 ていねいにしかし毅然と対応することが必要だ。だめなことははっきりだめだと明確にし,あいまいにしない。なまじ含みを残すといつまでもたかってくる。そこそこで,許してくれと言うと,まず,そこそこをさせ,さらにそれでは足りないと骨の髄までしぼりとろうとしてくる。変な約束をすると,それを「うそ」と因縁をつけてたかってくる。
その3 理屈を明確にする。 ヤクザは理屈には弱い。理屈は私たちの土俵だ。さらに,理屈を明確にすることも必要だ。法律的な判断がよりどころであり,論理的に話すことがよい。それができなければ弁護士や警察と必ず相談するべきで,けっしてたかをくくって一人で相手にしてはいけない。ヤクザは理屈を超えて利益を得ようとする連中だから理屈には弱い。普通の話し合いになってしまってはヤクザは出る幕がない。
その4 一人では会わない。 ヤクザは長く監禁していつまでも交渉を繰り返すこともある。彼らと交渉するときは一人は避けるべきだ。組事務所などへ出向くなどはとんでもない。自社の事務所に入れることだってよくない。私達が交渉するときはよくホテルのロビーなどを使う。
その5 警察との連携に躊躇しない 些細なこともで警察と連携をはかることは必須である。ヤクザの場合は逮捕されてしまうと生活を失う。時には組事務所から破門されてしまう。ヤクザ社会も競争がはげしいから逮捕されて1年も刑務所にいれば,地盤が無くなってしまう。
その6 「暴力団員お断り」看板・反社会勢力条項 暴力団の入場を断っているサービス系事業は多い。これははっきりわかる形で「看板」を表示しておくとよい。最高裁の判例があって,明示されているにもかかわらずそれを黙ってサービスを受けると詐欺罪に該当するとしている。外部にわかる形で明示されていないと詐欺にならない。契約書にも反社会勢力でないことを表明させる必要もある。この条項があると断りやすい。
その7 法的手段の利用 調停,裁判など法的手段を利用してヤクザとの交渉ルートを作り上げる。それにより,「話し合いは裁判で」と断りやすくなる。また,理性的な話し合いになるので紛争が収まってしまう。警察も介入しやすい。
【ヤクザ対応の7箇条】 ① けっして挑発しないこと。 ② 丁寧にかつ毅然と対応すること。 ③ 理屈を持って臨むこと。 ④ 一人では会わない。 ⑤ 警察への連絡を躊躇しない。 ⑥ 「暴力団お断り」看板を明示する
⑦ 法的手段を利用する
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