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№2251 傲慢な部下

№2251 傲慢な部下

 多くの職場はいい人ばかりだが,時に問題ある社員が入社してしまうことがある。独善的で傲慢で指示に従わないタイプだ。

上司が逆にいじめられる
 こうした社員については逆に上司がいじめられるようなことになる。上司は無視されたり,愚痴を言われたり,時には言い返されたりひどい目にあり,徐々に精神的にも病んできたりする。部下のあり方について態度を注意すれば,こういう社員はすぐにパワハラと言い返す傾向にある。社内で何がパワハラでそうでないか正確に理解しないとてもやりにくい。

傲慢な部下に起こる負のスパイラル
 傲慢な社員に対しては注意が繰り返され,職場でも孤立していることが多い。もともと自分は悪くないと思ってるので,不当にいじめられていると感じ,彼もしくは彼女はクビになるかもしれないという恐怖を抱えながら接することになる。にわかに防衛的になり,変な行動をとったりするのでますます問題を大きくしてしまう。作業能率も落ち,それが注意の種になり,負の連鎖が続くことになる。

本来はカウンセリングが必要だ
 本当はこういう社員についてはきちんと向かい合うのが本来よいように思う。カウンセラーのように丁寧に接すれば,良心に目覚めるかもしれない。しかし,これは非常に難しい作業で,対応者がよほど人格的に優れているか,専門の教育を受けている必要があるように思う。

解雇も覚悟しなければならないかもしれない
 よい方向に変えられないとなると,最後には解雇も覚悟しなければならない。
 解雇には普通解雇と懲戒解雇が存在する。こんな社員に退職金など払いたくない,懲戒解雇だなどと簡単に思ってはいけない。労働法の分野では懲戒解雇の要件は非常に厳しい。へたに懲戒解雇にしてしまうとあとが大変だ。原則は普通解雇で臨むことになる。

解雇を正当化するだけの事実の整理が必要
 解雇は労働者の生活を大きく変えるものであるから簡単ではない。労働契約法は強く制約している。裁判に耐えられるだけの十分な準備が必要だ。その準備はまず,日常的に困った状態を整理することになる。自己中心的→注意→反抗→孤立→作業能率の低下→注意→反抗→孤立とどんどん自己中心的世界観ができあがる。問題が相互に絡み合っており,事実関係の整理が大変だ。

 とりあえず整理することになる。これらの項目は相互に関連しており,簡単に分けることはできない。しかし,割り切って決めて分類すべきだ。その上で弁明の機会を十分与え,解雇となる。
 ① 傲慢さ・上司に対する反抗的態度
 ② 職務規律違反
 ③ 作業能率の著しい低下
 ④ 無反省

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