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№2238 CoCo壱番屋の危機対応

№2238 CoCo壱番屋の危機対応

 CoCo壱番屋で異物混入の恐れがあった冷凍ビーフカツを廃棄物処理業者に処分を委託したところ,この業者が横流ししていたという事件は耳に新しい事件だ。

 CoCo壱番屋の報告書によれば,横流し物件を壱番屋に勤務していたパートさんが見つけ,すぐに本社に通報した。会社は業者を調査し,横流しの事実が判明したため当局に通報した事件だ。


 会社の危機にあって素早い対応に多くのメディアは賞賛している。パートさんが問題を通報したという点でも社員の質の高さを示すし,その後のすばやい対応はそう簡単にできるものではない。

 ところで,法律上廃棄物はマニフェストで管理されている。排出事業者であるCoCo壱番屋マニフェストに基づく管理責任がある。これは「原因者負担の原則」(PPP)と言って,廃棄物処理業者のみならず,排出事業者にも責任があるという考え方だ。

 この管理責任は不可抗力のような場合にまで責任を負わない。マニフェストがなかなか返還されないにもかかわらず,90日放置しているとか(最終処分の場合180日)放置したとかいった場合に責任が発生する。不法な処置を放置していたり,不当に安い値段で処分させていたりしても責任を負う。

 マニフェストにかかわる責任はかなり重く,十分注意する必要がある。法律は廃棄物の排出事業者に現場を調査するよう求めているのである。その意味ではCoCo壱番屋の対応は法律通りであり,その適切な危機管理はCoCo壱番屋の信用を高めたと言える。

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