№2228 高価な機械が動かない
何千万円もする機械への投資は小さな企業であれば社運をかけるような思いとなる。初めて買った機械が故障続きとなるとかなりつらい。こうしたケースでは弁護士としては企業の悔しい思いの全てを裁判でぶつけることになる。
思いだけでは裁判は勝てません
しかし,そうは言っても思いだけでは裁判は勝てない。
高価な機械はそれだけ高い専門性があるため,買主側で欠陥の内容を立証することは容易ではない。また,中小企業では危機管理能力に限界があるため,初期対応に抜け落ちがある。そのため,原告側に不利な事情が多い。
壁にあたると原則に戻ります
こうした事例では常に原則に立ち戻って考えることが求められる。
中小企業側の弁護士にとっては難しい事件になることが多いため,いろいろ悩むことになる。しかし,ここでは原則に戻って考えることになる。
「なぜ」を繰り返すのは弁護士も同じです
原則とは法的枠組みと現場で生じた現象の再検討だ。これは,なぜを7回繰り返し,ことの本質にせまっていく作業だ。
1. 契約の基本的枠組みはなんであったか
機械の購入は売買契約となる。売買契約に付随して保証契約が締結される。保証契約というのは機械の欠陥が生じれば修理,交換,減額しようという契約である。その場合,欠陥というのは契約当初の買主の期待に応えない状況を言う。では,そもそも契約時買主はどのような期待をこの機械に持ったのだろうか。契約成立時当事者間でどんなやりとりがあったのだろうか。
2. 現場に戻る,事実を追求する
機械の欠陥のメカニズムを探るのは容易ではない。壁に行き当たると私たちは依頼者からの聞き取りをそのつど行う。もともと,依頼者が欠陥だと感じるところから事件は始まる。機械の不具合はどのようなことから始まったのか。もっと前から兆候はなかったか。なぜ,そのような不具合が生じたと言えるのか。問題となる現象を問い直すことになる。
難しい案件では私たちの作業はけっこう地道な作業であることが多い。
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