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№2210 諸行無常

№2210 諸行無常

諸行無常カレー
 今でもあるか知らないが,私が京都に住んでいた頃,「彌光庵」(みこうあん)という居酒屋があった。尼さんが経営していて,東本願寺で僧籍を得ていたように思う。お酒は出してたが,食事には肉食がなかった。大豆をうまく工夫して肉風味を出していた。

 メニューも面白くて「諸行無常カレー」とかいろいろ,仏教由来の言葉が並んでいた。いろいろあったが忘れてしまった。私は当時弁護士になりたてで,ここに仲間が集まって世の中を驚かしてやりたいなどと語っていたものだ。

諸行は無常だ
 諸行無常平家物語の出だしで有名だ。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」。そう,諸行は無常,世の中は無常だ。川の流れのように止まることはない。

 いつも変わりゆくものなのに,一つのものになりたい,なりつづけていたいと思うところに人の「苦」が生じるらしい。何かでありたいのに,世は無常なので何かでありつづけることはない。この執着が「苦」の原因だ。変わりゆくものとして受け入れることこそが「苦」からの解放というところか。そして,無常を受け入れ,今の自分に忠実であることで人生は「苦」から「楽」に転じる。

瞬間瞬間を大切に生きてこそ
 仏教の世界では人生は刹那(瞬間)の積み重ねで,刹那の充実は釈尊の説いたところだ。釈尊は死に際,「諸行は実に無常である,汝らは放逸ならずして,目的の完遂に努力せよ」と比丘たちに言われたそうだ。

 私は仏教の無常観は真理だと思っている。私は刹那を大切にしたい。しかし,私には目的はない。私は私が今思うことをやりきりたいと願っている。その結果が未来にいたる。正確にいうと,目的があって未来を見つめるが,それは今を生き抜くための行動だ。私は今のために生きたい。

いろはにほへと
 空海は言った。「いろはにほへどちりぬるを」「わがよたれぞつねならむ」,色はやがて散っていく,この世はどうして変化しないでいられようか。「色即是空」だな。日々精進して大願が成就される。

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